ほくろと黒色腫:こんなホクロがあったら受診しましょう

日本人の10万人に1人に悪性黒色腫(メラノーマ)という悪性腫瘍ができます。
非常に稀な病気ですが、過剰に心配される方と知らずに進行してしまう方がいます。
教科書には、大きさ、色の不均一性、形が変、などの変化が重要と書いてありますが、一般の方や皮膚腫瘍を専門としない医師にはまず使えなサインです。
見分け方は、ホクロそのものを見なくてもできます。電話で話すだけで可能です。
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悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ、メラノーマ)を疑うサインは以下です。この疑うというのは、10万人に1人の確率が、最大100-10人に1人に上がる程度と思っていただければいいと思います。100人に1人ですと、確率的にはかなり高くなり、混んでる病院に受診しても無駄にならない程度の確率になります。
1.10歳前にはなかった(思春期以後、特に20歳以後に出てきた)シミ
2.大きさ7mm以上・・・鉛筆をあててはみ出す大きさ
この2点を満たす場合は皮膚科専門医を受診しましょう。ダーモスコピーという拡大鏡を用いた検査を受けましょう。
しつこいですが、ほとんどは良性です。悪性の可能性が少し高くなるので受診しましょうということです。もしメラノーマの診断であっても、サイズが7-8mmで触ってしこりを感じなければ、数mmののりしろを取って切除するだけで、ほとんどの方は完治できます。
学生や研修医には目で見て黒色腫の診断をするな、と話しています。かなり乱暴な考え方であることは重々承知しています。私自身への戒めでもあります。
小さかった。
昔からあった。
痛くなかった、痒くなかった。
左右対称で、形が丸で整っていた。
色も均一だった。
・・・・以上が、診断が遅れて受診した理由として患者さんが述べる理由です。
専門医以外の医師でも同じです。
子供の頃にはなかったのに、大人になってから大きなシミができてきた、という病歴がメラノーマを疑う最も大切なサインです。電話やメールで皮膚科受診を勧められます。
乳首にできる乳がんに、パジェット病いうのがあります。これを疑うとき、目で見る必要はありません。
薬をいろいろつけても、何ヶ月も治らない乳首の亀裂(キレツ、皮膚の割れ)やジクジクがあれば疑って生検(せいけん:皮膚の一部をとって病理検査をします)を行います。つまり、医師にかかったほうがいいかどうかは、電話で見分けられるということです。目で見てしまうと、こんな軽い癌はないと変な理由をつけてしまう危険性があるのです。
視覚は皮膚科医にとって必須の道具ですが、せっかく得られた情報でも、それを独善的に解釈してしまうと誤診につながってしまいます。

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