アロマオイルのかぶれ バルサムオブペルー

これまで、いくつか取り上げたことがありますが、かぶれを疑って来院した患者さんにで原因物質を調べるときにパッチテストを行います。皮疹が出た時期から疑わしい候補(製品)があれば、それらについて行いますが、一般的にかぶれやすい物質については前もって検査薬が病院に準備されています。スタンダードシリーズなどと呼んでいます。
下腿潰瘍(静脈弁不全による皮膚障害)の患者さんはいろいろな薬を傷に塗るので、外用剤にかぶれることがけっこうあります。かぶれの原因が時代とともにどのように変化していったかという論文を読んでいたらバルサムオブペルーが上位にランクしていました。香料です。
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一般的にかぶれやすい物質としてはウルシが有名ですが、自分では気づいていないが体に合わない物質としては金属(ニッケル、クロム)、ラノリン、ゴムの可塑剤、などがあります。しかし圧倒的に必ず上位にランクされるのがバルサムオブペルー((バルサム ペルー、Balsam of Peru)です。
バルサムオブペルーって、聞いたこともない方も多いと思います。バルサムとは定義がいろいろあるようですが、揮発性油に溶けた樹脂といった意味があります。強い香りがあります。。松脂などもバルサムになります。なんとなく匂いがイメージできますね。バルサムオブペルーはペルー産のバルサムという意味になりますが、抽出する木はペルー原産ではなくヨーロッパから持ち込まれたもののようです。帰化植物として問題にもなっているような記事を見ました。横道にそれました。
ペルー産のバルサムだけなんでかぶれるのか?バルサムオブペルーは他のバルサムと交叉性(こうさせい:ある1種類の物質にかぶれるようになったとき、その物質と構造式が似ている他の物質にもかぶれてしまうこと)が高いので、検査薬として用いられているようです。バルサムの代表ということでしょうか。バルサムオブペルーに反応した方は一般的にバルサム系(例えばカナダバルサム(接着剤に使用)など)の香油にかぶれやすいと疑えることになります。
バルサムは古くから傷やおむつかぶれの治療などに使われてきました。抗菌作用が確認されています。木が樹液を出すのは幹にできた傷を守るためです。生体防御のためです。同じ樹液である、ウルシやゴム(ラテックス)も同じです。ともにかぶれやすい代表格です。生体病後物質は抗原性が高いことが知られています(つまりアレルギーを起こしやすい)。関連記事:ラッテクスアレルギーとゴムの木の痛み
抗菌作用があるなんていうととても良いように感じますが、むやみに抗菌作用のあるものを使うのは問題かもしれません。薬とおなじで物事には良い面と悪い面が必ずあるからです。
さて、以前アロマオイルで全身に重症薬疹のような発疹が出た方がいました。それ以後、ひどいかぶれや全身の皮疹で受診される方にはアロマオイルによるマッサージや吸引をしていないか尋ねるようにしています。かぶれの原因としては毛染めと同様に原因として大事な物資です。特に皮膚に傷がある(手荒れ)方は注意された方がよいと思います。
松脂から抽出されるものにテレピン油があります。油絵の具を溶かしたり、筆を洗ったりするときに使います。下書きのときに使ったりしました。学生時代にいた美術部の部室のにおってました。久しくかいでいませんが、懐かしいです。

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