7歳未満のお子さん(乳児・幼児)に適した抗ヒスタミン剤はなんだ?

7歳以下のお子さん、特に2歳以下のお子さんに認可されている抗ヒスタミン剤の種類は限られています。抗ヒスタミン剤は進化しており、ここ10年ぐらいの間に眠気などの副作用が少ない安全性の高い製品がいくつも出てきています。ただ、残念なことに小さいお子さんへの適用が取れていないものも結構あります。お子さんが飲める抗ヒスタミン剤については以前にも記事にしたことがあるのですが、しばらくたっているので久しぶりに調べてみようと思い、Googleに「小児」x「抗ヒスタミン剤」と入れてみました。2011年8月の当ブログの記事がトップにヒットしてしまいした。これはいけません。ちょっとまとめてみます。
関連記事:子供が飲める抗ヒスタミン剤 2011
2014APR26
チューリップも咲きました


抗ヒスタミン薬はじんましんやかゆみを伴う皮膚炎に対して用います。1980年代初めより前に認可された第1世代(タベジール,レスタミン,ポララミン,アタラックスP,ペリアクチン)と、それ以後に出てきた第2世代に分類されます。
抗ヒスタミン剤で一番問題になる副作用は眠気やだるさです。小学生のころ、市販の風邪薬を飲んでよけいだるくなった経験が個人的にありますが、今考えてみればたぶん含まれていた第1世代の抗ヒスタミン剤の影響もかなりあったのではないかと思います。第1世代は小児の熱性痙攣を誘発する可能性や幼児期の長期投与による発達への影響を懸念する意見もあり、また眠気の強さは軽い飲酒に相当するとする報告もあります。第1世代に比べ第2世代はこの眠気やだるさといった副作用が軽減されていますが、それでもだるさや眠気がまだ出やすい鎮静性(アゼプチン,ゼスラン,セルテクト,ザジテン,ダレン)と非鎮静性(アレグラ,アレジオン,アレロック,クラリチン,エバステル,ジルテック,タリオン,ザイザル)に分類される場合があります。
つまり大人では、タベジール,レスタミン,ポララミン,アタラックスP,ペリアクチンといった眠気の出やすい薬ではなく、第2世代のさらに眠気の少ない非鎮静性の抗ヒスタミン剤の使用が勧められています。そこで第2世代で非鎮静性の抗ヒスタミン剤が(能書上は)何歳から認められているかまとめてみました。
低年齢から使える製品から順に、
ザイザルシロップ:生後6か月以上
アレロック顆粒:2歳以上
クラリチンドライシロップ:3歳以上
アレジオンドライシロップ:3歳以上
数年前より種類が増えました。ここからは完全に個人的な印象です。根拠も何にもありません。健康な大人が飲んでもふらふらになるようなポララミンやホモクロミンやアタラックスPを小さなお子さんや高齢者に出すのは少し抵抗があります。それから、最近の非鎮静性抗ヒスタミン剤にはOD錠といって口の中で溶けるタイプがあります(口の粘膜からは吸収しませんので溶けた後は唾とともに呑み込みます)。製品によって多少の違いがあるのですが、ラムネ菓子のようでとても味がよいのです。できれば大人用の錠剤も小児に処方できるようになればいいのにと思います。粉よりも飲みやすいし、OD錠の方を好むお子さんも結構いるのではないかと思います。

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