皮膚科受診を勧める口内炎

3月も半ば、春の気配がそこらじゅうに感じられます。更新が滞っています。今日のお題は「口内炎」です。
ありふれた病気であり、1個か2個で、1週間ほどで治るようなら特に心配はありませんが(うっとうしいですが)、皮膚に受診してもらったほうがよい症状についてまとめてみます。
こんな症状があったら皮膚科へ・・・
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口内炎はありふれた疾患です。多くは1㎝以下で1個か2個、舌や歯茎や唇の裏などにできます。医学用語ではアフタといいます。繰り返しできる場合はかなりうっとおしいですね。原因もほとんどわからない場合が多いと思います。
そんなにしょっちゅうあるわけではありませんが、病院で検査をしてもらったほうがよい口内炎をまとめておきます。
1小さい丸い口内炎ではなくて上あごや歯肉などに広がっている
(天疱瘡、扁平苔癬、薬剤性、ヘルペス、ヘパンギーナ)
*とくに天疱瘡は皮膚科以外で扱うことが少なく、一般内科の診断学の本に出ていないこともあるので診断が遅れることが多いです。歯科で長期間診断されずにいた患者さんもけっこういます。皮膚に水疱ができないと疑いにくいのです。でも、口の中に初発して遅れて皮膚に水疱が出る方や、口の中だけで皮膚に症状が出ない方もいます。
*お薬としては、降圧剤、骨粗しょう症の薬、リウマチの薬(メトトレキサート)などで起きることがあります。
2.体重が減った、口の奥から喉にかけて痛くて食事がしにくい、体がだるい
・・・重症です:天疱瘡、HIV感染症、梅毒、悪性リンパ腫、白血病)。子供ならヘルペスやヘルパンギーナ(ともにウイルスでなります。ヘルパンギーナは家族内でうつることがあります。原因はエンテロウイルスとコクサッキーウイルスですが、後者は手足口病の原因ウイルスです)
3.眼がかすむ、、採血や注射をしたところが化膿しやすい、陰部にも丸い潰瘍がある、背部などにニキビ様のぶつぶつが多い、下腿に押すと痛む赤いしこりがいくつかある(結節性紅斑)、腹痛を繰り返す、下血がある。(これらの症状は過去にあった場合でもOKです)・・・ベーチェット病です。口内炎ができる病気として有名ですので医療機関にかかれば見逃されることはまれと思います。

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