サルコイドーシス(2) 新しい診断基準 2015

前記事では、肉芽腫とは?の説明で終わってしまったので、今回はその続きです。
肉芽腫は組織球という細胞のかたまりで、菌や異物や細胞の死骸などを取り囲んでできるカプセルです。サルコイドーシスはカプセルの核がないのに、肉芽腫(にくげしゅ)というかたまりが体中にできる病気です。今回は症状や診断基準について触れます。
参考にしたサイトや講演:
1)近畿中央胸部疾患センター呼吸器内科の倉原優先生のブログ
2)四十坊典晴先生の論文「わが国におけるサルコイドーシスの診断基準と重症度分類
3)そして、週末にあった北海道地方会での関西医大教授、岡本先生の講演

2016MAR21


今日は良い天気です。庭にも花が咲き始めました。


肉芽腫ができる臓器によってさまざまな症状が出ます。私が外来で診察する(他の科から紹介された)患者さんで多いと感じる症状は、以下です。他にも神経や筋肉や耳下腺など、さまざまな症状があります。
・眼がかすんだ、あるいは霧がかかった、あるいは飛蚊症が続く(ので眼科に行ったらサルコイドーシスが疑われた)
・不整脈(で循環器にかかったらサルコイドーシスが疑われた)
・そして痛くもかゆくもないが、薄赤い小さいしこり(ケロイド様)が顔や膝に増えてきた
・・・ただし、症状がある方は全体の2/3程度であり、偶然検査(・健診で胸のレントゲンを撮ったら縦隔のリンパ節が腫れていた)で見つかる方もいます。
新しい診断基準は厚生労働省の難病指定のために使われる基準です。
注意すべきポイントは、
1)社会保障のための基準であって、満たさないからサルコイド―シスではない、ということではありません。
2)一度にすべての症状がそろうことはありません。徐々にいろいろ出てくることが多いので、今は軽症でも通院して検査をうけていくことが大切です。特に心電図(不整脈による突然の心停止が死因の原因として重要とのことです。)は半年から1年に1回は取ったほうがよいです。
3)2015版の厚労省のサルコイドーシスの診断基準は日本独特のものです(社会保障に用いるので当たり前ですが)。また日本サルコイドーシス学会の基準が2006年に出ていますが、それと今回の基準に差があります。
眼科や循環器でサルコイドーシスが疑われた時になぜ皮膚科を紹介されるかというと、
1)サルコイドーシスは複数の臓器に病変が存在することが多いので、眼+皮膚、あるいは心臓+皮膚という組み合わせがあれば、サルコイドーシスの可能性が高くなる。
2)サルコイドーシスの診断には病理組織診断がとても重要ですが、一番簡単に生検できるところが皮膚である。
・・・という点です。
皮膚のサルコイドーシスの好発部位は、顔(とくに鼻の周囲)と膝です。顔に数㎜大の表面がつるつるした薄赤い硬いしこりがあったら可能性があります。また膝にやはり数mmから1-2㎝大のケロイド様の皮疹があったら、やはりサルコイドーシスの可能性があります。
2015の診断基準に取り上げられているサルコイドーシスに特徴的とされる検査は、
①胸のレントゲンやCT:両側肺門リンパ節腫脹
②血液検査:血清アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性高値または血清リ
ゾチーム値高値
③血液検査:血清可溶性インターロイキン-2受容体(sIL-2R)高値
④特殊な画像検査:Ga-67 citrateシンチグラフィまたはF-18 FDG PETにおける著明
な集積所見
⑤気管支鏡検査:気管支肺胞洗浄検査でリンパ球比率上昇,CD4/CD8比が3.5を超
です。

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