虫さされの季節になりました

外来に虫による皮膚炎の患者さんが増えてきました。
私も毎朝小さな庭にほんの少し作っている野菜を取りに出るたびに、蚊に刺されます。今年もすでに20箇所以上さされたと思います。2-3日前には、右人差し指の第2と第3関節の間に一度に4箇所もさされてしまいました。痛いし、かゆいし、かなりつらい数日間でした。
さて、これまでの記事の中から虫関連を選んでみました。
・蚊にさされても腫れ方が人によって違うのはなぜか?
・蜂に刺された
・ケムシによる皮膚炎
・日本のドクグモ
・マリリンモンローとダニ

爪のまわりが腫れて痛い

爪のうしろの皮膚が赤く腫れて痛む。
爪の横にも赤みが広がってきた。
おさえるとぶよぶよしている。
爪囲炎(そういえん)ですね。
考える病気は次。
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爪の根元に赤い点々が・・・

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下口唇のただれが治らない

したくちびる(下口唇:かこうしん)にできたただれが治らない時、
疑われるのは次の病気・・・
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痛い発疹、かゆい発疹
くちびるの荒れがなおらない
kanabun

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目のまわりや頬に1mm大の小さい白いプツプツができている。

1mmぐらいで、まん丸の白いプツプツが1-2個から多い場合は10個以上できてきた。ニキビのようだが赤みがない。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)といいます。若い頃は間違って「ひりゅうしゅ」と読んでいました。ヒエ(稗)のツブのような病変という意味ですね。
kumo

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首やわきの下にブツブツしたイボがたくさんできてきた

首のまわりに薄茶で根元がくびれた3-5mm大のやわらかいできものがたくさんできて、いつの間にか増えてきた。1mmぐらいの小さいものもたくさんある。
軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)、アクロコルドン、Soft fibroma(そふとふぁいぶろーま)などと呼びます。悪いものではありません。原因もよくわかっていません。かゆくも痛くもありませんが、ときどきひっかかったり、場合によってはちぎれて血がでたりすることがあります。基本的には治療は不要ですが、美容的あるいはうっとうしい場合は取ります。
関連記事:ミズイボはいくつになったらできなくなるの?
kaeru

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パンを食べてから運動したら意識を失った

多くはないけど最近話題の病気
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(しょくもついぞんせいうんどうゆうはつあなふぃらきしー)
ari
アブラムシを飼育するアリ
・ラーメンを食べてから、寒い屋外で運動していたら、じんましんが出て、そのうち気分が悪くなった。
・ハチミツ入り飲料水を飲んで、温泉に入ったり、運動するとのどに違和感が出て息がしにくくなった。
・給食後に運動したら、体じゅうにかゆい皮疹が出て、息が苦しくなり、吐いた。
運動をしたらじんましんが出て、具合が悪くなった、というエピソードがある方は、運動前の2時間以内に何か食べなかったかどうか思い出すことが大切です。

食べ物+うんどう+(アスピリン)+(体調、寒さ、など)・・・で発症するアレルギーがあります。
病名は、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、という長い名前になりました。
関連記事:皮膚に字が書ける

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学校伝染病 学校、幼稚園に行ける皮膚病 ちょっとお休みしないといけない皮膚病

kamakiri

学校での感染拡大を予防するために、出席停止などの措置が定められている病気を「学校伝染病」といいます。3種類に分けてあります。1種はエボラ出血熱のような厳しい予防対策が必要な病気、2種には、飛沫(ひまつ)感染(みずぼうそうは空気感染ですが)により、よく学校ではやる病気(インフルエンザ、はしか、みずぼうそう、風疹など)が含まれます。この、1種(治癒まで)と2種(病気ごとに違う)は学校に行ってよい治癒の条件がきちんと定められています。
たとえば、
はしかは熱が下がってから三日間たてば出席可。
風疹は発疹が消えたらOK。
みずぼうそう(関連記事①予防接種 ②おにいちゃんがみずぼうそうになった ③帯状疱疹)はすべての発疹が乾燥してかさぶたになったらOK。
最後の3種については、扱いがゆるい病気が入っているのですが、この群の取り扱いがビミョウなんです。「出席停止期間は、学校医やそのほかの医師によって伝染のおそれがないと認めるまで」ですので、現場で意見が一定しない場合があるのです。 日野治子先生の論文(What’s new in 皮膚科学2008-2009、メジカルビュー社)より

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肌の色は白いほうがよいのか、黒いほうがよいのか(2)

ちょっと書きたらなかったので、追加。
前の記事:肌の色は白いほうがよいのか、黒いほうがよいのか
今日の朝刊に、オバマがクリントンを抑えて民主党の大統領候補になったという記事が出ていました。初の黒人候補です。肌が黒いと、どのようなことが起きるのかを試したある白人の手記があります。
黒い夜

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肌の色は白いほうがよいのか、黒いほうがよいのか

白い肌にあこがれたり、漆黒の肌にあこがれたり、肌の色の好みは自分の肌の色やその時代の流行にも影響を受けて、結局人それぞれです。
皮膚がんや光老化(ひかりろうか:昔はシミやシワが増えるのは単に年齢的なものだといわれていましたが、最近は長期の紫外線による影響が主たる原因であることがわかり、このように呼ばれています)という観点からいえば、肌は黒いほうが望ましいということになります。(関連記事:30歳以後の頬のシミ)。北ヨーロッパの白人がオーストラリアに移住したことにより、メラノーマの発生率が数倍に増加しました。
肌の色によって、住むべき緯度が決まっていて、それを無視すると問題が起きる、ということは以前から皮膚科医の中ではよく知られた事実でした。
チョット前のNHKスペシャル「病の起源:第2集、骨と皮膚の病気、-それは出アフリカから始まった-」から(ネーミングがいい)。

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