日焼け止めはどこに塗る?

よくある皮膚の病気(11)

日焼け止めはどこに塗れば効果的か?

日焼けは、皮膚のしみ、しわ、皮膚がん、皮膚の免疫低下によるヘルペスの再発など、さまざまなトラブルを起こします。

日焼け止め(サンスクリーン剤)は、日に当たるところにまんべんなく塗ればいいのですが、面倒くさい時もありますよね。例えば、しみ、しわ、皮膚がんの予防に限れば、ここだけは塗っておいたほうが良い場所、あるいは、ここから塗り始めたほうが良い(途中で手を抜きたくなったときに備えて)、という場所はあるでしょうか?

あります。

それは紫外線でできる皮膚がんや脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)の好発部位です。脂漏性角化症とは、あまり聞きなれない病名ですが、中年以後に、髪の毛の中、こめかみ、おでこ、うで、手の甲、すね、などにできてくる20-30mm以下の茶色のしみで、時間と共に表面がざらざらして、その後イボのように盛り上がってくる良性の皮膚腫瘍です。中年以後にできる茶色のできもののほとんどがこれです。有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)は紫外線によっておきる皮膚がんの代表です。これは、こめかみから耳の前が好発部位です。

普通に日焼けすると、おでこ、鼻の頭、頬、肩、うで、手の甲、足の甲などが、特に赤くなります。これらの部位も有棘細胞癌の好発部位ではありますが、発生率から言えば圧倒的にこめかみと耳の前あたりが抜きんでています。

それでは塗り方(外で1日遊ぶ状況を想定しています):季節は3月から8月、時間は10時前とお昼の2回、特に10歳以下のこども。

まず、手に取ったクリームの半分を反対の手にもつけます。両耳の前から、こめかみ、そしてそのまま頬に沿って前に進み、鼻の頭を塗ります。

まだ続けられる人は、おでこ、耳輪(耳の上の方)、首の後ろと肩、前腕、手の甲に塗りましょう。

さらに続けられる方は、すね、と、足の甲に塗りましょう。

私は酸化チタンのサンスクリーン剤が好きで良く使いますが、鏡をみないで塗ると、志村けんのバカ殿様のようになります。自分は気にしませんが、家人は引きます。

ところで、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は昔、老人性ゆうぜい(老人性イボ)、死ぼくろ(シニボクロ)などといわれていました。ひどい名前ですね。患者さんに、「これ、シニボクロか? 先生」 なんて聞かれることがたまにありますが、答えに困ります。それに、老人性ゆうぜい、だって、患者さんに言える病名ではありません。

最新の記事(2009年4月29日)
おすすめの日焼け止め

「日焼け止めはどこに塗る?」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上へ