レゲエの神様 ボブマーリー(Bob Marley)とメラノーマ

レゲエの神様、ボブマーリー(Bob Marley)は足の親指にできたメラノーマで亡くなりました。10年前に、このブログで書きました。(ボブマーリーとメラノーマ)。ほとんど反響はありませんでしたが、昨年ある皮膚がんの会議で演者の先生が少し触れてくれました。嬉しかったので再掲します。

記事とは関係ありません。世の中が大変なことになっているので、早く春と夏が来ないかなぁ、という気持ちを込めて、去年の夏の思い出(積丹半島)。

以下は2010年5月10日の記事

今日はこどもの日。ここ何日か気温が高くて夏のようです。
でも風は気持ちいい。No, Woman, No Cry やOne loveを聞きながら、EIGO21というサイトで訳をみていたら、Bob Marley(ボブ マーリー)はメラノーマで亡くなったと書いてありました。足の趾のメラノーマで亡くなったんだそうです。てっきり脳腫瘍だとばかり思っていました。そこで、ボブ マーリー(Bob Marley)のメラノーマについてちょっと調べてみました。2回連続です(次の記事はこちら)・・・2020/3/1コメント・・・10年前と今では治療法が大きく変わりましたので、10年前の治療についての記事は不正確なところがたくさんあります。

関連記事:
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爪に黒い線(スジ)が入っている

まず、言い訳から。WEB上のいろいろなサイトから仕入れた情報ですので信憑性に自信がありません。間違っているところがあればコメントください。
参考にしたWEBサイト
Melanoma – Not a Respector of Persons
How and why did Bob Marley die?
ボブ・マーリーのメラノーマの経過
右足の親趾に友人たちとサッカーをしていてできた古傷があった。1977年7月に傷が治らないことに気づいた。爪の下で腫瘍が急に増大し、ダンスにも影響が出てきたので医師の診察を受け、メラノーマ(悪性黒色腫)と診断された。切断をすすめられたが、宗教上の理由で切断せず。(不確実情報だが)、そのかわりに植皮を受けた(腫瘍の上に植皮をしてもつかないので、たぶん悪い部分のみそぎ落としたのか?・・・私の想像)。1980年の夏の終わりにはメラノーマが脳や肺や胃に転移。それから1年後の1981年5月11日、ジャマイカへ帰る機上で様態が悪化し、マイアミに緊急着陸したが病院で死去。
まず、爪(爪下)のメラノーマについて
手足の裏や爪のメラノーマは白人以外に多いという説がありますが、紫外線が原因ではないメラノーマですから、人口当たりの発生数だけみれば人種差はあまりないと思います。日本人のメラノーマは手足に多いというのと同じです。
USAの白人のメラノーマの年間発生率は10万人当たり10-15人、スペイン系が3-4人、黄色人種や黒人が1-2人です。白人のメラノーマのほとんどは日光が当たる部位にできます。人種ごとの全メラノーマ発生数に爪のメラノーマの割合をかけると、だいたいどの人種でも年間100万人に1-3人程度の指趾の爪にメラノーマができる(診断される)といえます。ボブ・マーリーはすごく珍しい病気になってしまったわけです。
さて、ここからは本題へ。私の個人的な検証と意見をちょっと
1)サッカーでできた傷がメラノーマの原因だったのか?・・・可能性はあります。
傷が関係している可能性を示すデータ:
手や足の指趾のメラノーマのほとんどは親指(趾)にできる。メラノーマは手よりも足に多いが、爪のメラノーマは手の指に多い・・・つまり傷ができやすい、外傷を受けやすい部位に多い感じがする。足の裏の皮膚に出来る場合も、趾球やかかとなどの荷重部に多い感じがします。また、初診のときに患者さんにお話を聞くと、金槌で指をつぶした、物を落として爪が割れた、などの後に傷ができ、それが治らず(ジクジクしていた)逆に盛り上がってきた・・・などという経過を良く聞きます。
でも、怪我をする前に爪に黒いスジがありませんでしたか?と聞くと「そうだった」とおっしゃる方も結構います。この場合は、早期のメラノーマがあったところに外傷を受けて、急に大きくなり始めたという可能性もあります。傷を治そうとする力(指令)が癌細胞の成長(性格変化)に影響を与えたのかもしれません。

爪に黒い線(スジ)が入っている(爪は記録用紙だ!)

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