日本癌治療学会2013

今週末は京都でした。3年前まで皮膚がんのセッションの会場はガラガラでした。でも2年前に急に会場に人が増えました。一瞬喜んだのですが、理由は整形外科と合併セッションになったからでした。でも、昨年は皮膚科単独のセッションにもかかわらず観客が増えました。医師以外の職種、メーカーや臨床試験センター(臨床試験を支える部門)の方の参加が増えたからです(たぶん)。皮膚腫瘍の新薬がたくさん出てきたことが関係していると思います。
昨日のセッションで座長の先生にいただいた質問がよかったです。「立ち見がでるほど、観客がいることについてどう思いますか?」でした。「エネルギーをもらえました」と答えました。座長の先生も「私も一緒です」と言ってくれました。
hujita kyoto
京都は連日雨でした。帰りに京都駅の伊勢丹でやっていた藤田嗣治展を見て来ました。最近はいい絵をみると心が騒ぎ、そして少し落ち込みます。絵が少し見えるようになってきたのかもしれません。

おできがなおらない

赤みと腫れがあって、真ん中から膿がいつまでも出る。化膿止め(抗生物質)を飲んでも完全によくならない。
袋状(トンネル状)のスペースができているか、何か異物が入っているかもしれません。
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ウオーホル
今週末は築地で会議。久しぶりに市場内の「豊ちゃん」で今月から解禁のカキフライをいただきました。帰りにアメリカン・ポップ・アート展に。

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左腕の肘から先がむくんでいる

高齢の女性です。半年前から左腕の肘から先がむくむようになった、最初は良くなることもあったが、そのうちむくみが続くようになった。かかりつけの内科で血液検査を行って腎臓には異常がないといわれ、かかった皮膚科から紹介されました。
診察してみると左の肘から先、手の甲までむくんでいます。押すとへこみます。皮膚は全体に赤みはありますが、痛みや熱はありません。患者さんは元気です。
タンク花
灯油タンクの下に小さな花畑
ちゃんちゃん焼き
親戚から届いた秋味 味噌だれを混ぜてチャンチャン焼きに

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日本癌学会

横浜に来ています。癌の基礎的な研究に関する学会です。初めて参加したのはもう25年ぐらい前になります。この間いろいろ流行り廃りがありました。私自身、久しぶりの参加です。皮膚がんに特化しない一般的な癌に関連する学会に参加する皮膚科医はもともと極めて少ないのですが、日本癌学会の参加者は特に少なくて10人もいないかもしれません。
今日の午後、癌研究に対するこれからの国家戦略ついてのパネルディスカッションがありました。会長のシカゴ大の中村祐輔先生、癌学会の重鎮のほかに、内閣府、厚生労働省、文部科学省の担当の方、そして患者団体の代表の方がお2人参加されていました。このような基礎的な学会のゴールデンタイム(学会中日の午後)に、患者さんの代表が参加し、さらに(痛い言葉を浴びせられるかもしれないのに)行政の方が参加するシンポジウムというのは珍しいのではないでしょうか。
癌学会2013
癌対策のため癌対策基本法が施行されて30年経が経ちました。基礎研究の成果はあったかもしれませんが、創薬に関してはここ10年頭打ちで、輸入超過額は昨年1兆数千億、今年は2兆円程度になるのではないかとのことでした。基礎的研究では負けていないのに、実際の薬として患者さんのところまで届けるシステムが脆弱だと言われています。せっかく日本で生まれた芽なのに、育てるために外国にパテントを売り、外国で製品化する。これを高いお金を出して輸入するのはつらいことですね。

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