2020年大晦日(4)

1年を振りかえっています。紅白はYOASOBI。いろいろな分野でメジャーになる手段が多様化してますな。東京事変だ。いい。着物姿もかっこいい。

10月 ダーモスコピーという偏光レンズで拡大して観察する検査法があって、本来はホクロとメラノーマなどの皮膚がんをみわけるために使うのですが、頭皮の観察、とくに脱毛しているときの診断に役立つことを書きました。トリコスコピーといいます。トリコは毛という意味です。紅白はゆず。オケすごい。そして和洋だ。WEBの会議と講演と学会が日常?的になりました。この日常が(個人的には)浮遊感に包まれ、約束をすっぽかさないかいつも不安でした(周りの方にサポートいただいてギリギリで参加できたこともありました)。紅白はあいみょん、そしてYOSHIKI。ENDLESS RAIN ブライアン・メイだ。豪華だなぁ。

11月 記事を書けませんでした。昨年立ち上げた若手皮膚科医向けの皮膚腫瘍の治療教育のための合宿はWEBでなんとか開催できました。ZOOMで皮膚がんの症例を出して、切除と皮弁作成(ひべんさくせい:切除してなくなってしまった欠損部を周りの皮膚を移動させて覆う方法です。傷がなるべくめだたないような作図が必要です)の作図をみんなでペンで書きこんで討論しました。楽しく勉強できました(今回も講師陣が結構たのしそうだったのがうれしかったです)。講師陣も上のほうは還暦を過ぎており、若い方に伝えておきたいことがたくさんあるのです(じいさんの自慢話にならないよう注意します)。

12月 今年はいくつか進行中の企画が滞りました。そんな中で職場の仲間と協力して書き上げた書籍が12月30日に発売されました(美容皮膚医学BEAUTY 第25号(Vol.3 No.12, 2020)特集:皮膚がんの診断と治療)。なんとなく地に足がつかない1年でしたが、2020年という年の1つの思い出になりました。ついてきてくれた仲間に感謝します。紅白はSuperfly、Mr. Children。さて、来年はなにをしようか。

年末に、頼んでおいた来年開催する学術会議(日本皮膚科学会東部支部、札幌)の記念ピンバッチのプロトタイプが届きました。こんなことばかりしているのです。

 

 

2020年大晦日(3)

1年を振り返っています。

7月 紅白はJUJU。そしてエールから、福島行進曲、長崎の鐘。7月は記事が書けませんでした。一体何をしていたのかスケジュールを確認しました。遊んでました。30年ぶりに知床を歩きました。生まれて初めて道路上をゆったり歩くヒグマを見ました。でかかったです。知床の散策路には人気がなかったので、スマホから音楽を流して歩きました。ウトロのウニはとてもとてもおいしかった(ウトロ漁協婦人部食堂:おすすめです)。尻別川上流でキャンプして釣りをしたり、積丹でキャンプしてカヤックしたり。 紅白はGreeeN。顔が出てる。キセキ、やっぱりいい曲だな。そして嵐。

自然のハッカの葉いっぱいの半露天風呂にいれていただいた

8月 同じ種類の蚊に刺されても反応が違う理由について書きました。紅白はLISAの炎。お盆は松本で自然を楽しみました。いつも賑やかな川が、やはり静かだった。お山の診療所(2018,2015、2013,2011)も今年は閉鎖で、いけませんでした。

9月 紅白は髭男。記事は外用剤を混ぜることの問題を2回にわたって書きました。混ぜることは利便性が増す(種類の違う薬を2度塗りしなくてよい)場合もありますが、(私が個人的には)受け入れにくい外用剤の混合処方をよくみます。たとえば抗真菌剤(水虫のくすり)とステロイド、もっとすごいのは水虫の薬+抗菌薬(ゲンタシンやアクアチムなど)+ステロイド、これにさらに非ステロイド系の消炎剤、なんてのもあります。とくに抗菌外用剤の使い方が緩すぎるのではないかと思います。耐性菌(薬に効かなくなる菌)が増える危険がないかとても心配です。ご批判があれば是非お寄せください。

2020年大晦日 (2)

1年を振り返ってます。

4月 紅白はディズニーメドレー、ディズニーランドからだ。記事はCOVID19による皮膚症状について書きました。皮膚に編目模様やしもやけ様の皮膚症状が報告されました。これらの症状は皮膚科的には血管がつまる、あるいは血管の壁が傷む免疫現象がウイルス感染によっておきることが予測され、身構えました。その後解析がすすみ、普通のウイルス感染(はしかなど)で多いブツブツ型が多いことがわかってきましたが、じんましんなどもあり、(とくに特別は皮膚症状はなく)熱+全身の皮疹の患者のすべてがCOVID感染の可能性があると思うようになりました。また、手荒れについて書きました。利き腕と反対の手の方があれている場合は注意が必要です。

5月 紅白は福山さんが出て、すぐに合間のニュースになりました。記事は、古本屋で見つけた「日本の色」(大岡信 朝日選書(1976)版講談社(1980)版)という本の解説や「色」について思うところを書きました。近くの山によく行きました。

6月 リアルな研究会・学会・講演会がほとんどなくなり、代わりにWEB講演が増えてきました。記事は、マダニに喰いつかれたときの対応や注意する感染症についてまとめました。今年はマダニに喰いつかれて受診した患者さんがたくさんいました。1週後にまた来た方もいました。猫が家に持ち込んでくるのだそうです。紅白は瑛人の香水。そしてPerfumeだ。結成20年だそうです。すごいなぁ。そしてBABYMETAL。そして郷ひろみ。

 

 

2020年大晦日(1)

大晦日になりました。紅白歌合戦も始まったので今年を振り返ります。

1月 お供え餅の写真で新春の挨拶だけの記事で終わってしまった。高麗大学から交換留学生を迎えたり、治療方針が大きく変わった乳児血管腫(イチゴ状血管腫)のミニ研究会を開いた。映画はいつものキノでリンドグレーン。 長靴下のピッピなどを書いた童話作家の伝記。 美しい映画だった。 ★★★★。 息子ラッセを演じた子役の演技が素晴らしかった(ドキュメンタリーのようであり、セリフもしぐさも完ぺきだった)。子供が怒って物を投げるときは、(大人と同じように)きちん?とした心の怒りや強い葛藤があるんだ、ということに今頃気づいた(映画は登場人物と一体になれるからわかるんだね)。

霜から生き延びた庭のハーブを全部ぶち込んで無水鍋

2月 手や指が荒れて、細かいひび割れができたときはポリウレタンフィルム(防水フィルムとして売っている)の絆創膏やシールをおすすめする記事を書いた。安く買える百均での購入を勧めていたけれど、一時材質の異なる製品が目立ち(患者さんには袋の裏の材質名を確認して買っていただくようにお話ししていた)、ポリウレタンフィルム製がなくなってしまった。でも夏過ぎからまた店頭でみかけるようになり安心した。高知に講演で呼んでいただいた。これが今年最後の空路での出張になるとは思ってもみなかった。紅白はさだまさし。

3月 感染症の世界史、という本を紹介し、COVID感染対策についてちょっと書きました。振り返ればまだことの重大さを自分自身はあまり認識できていなかったと思います。レゲエの神様 ボブマーレーとメラノーマについての昔の記事のリバイバルを載せました。紅白は鈴木雅之。大滝詠一は今年よく聞いた。夢でもし逢えたら ・・・逢えるまで眠り続けたい・・・

監修した雑誌が発刊されます

研究室の仲間たちと総出で協力して書き上げました。皮膚がんの疫学や症状、治療法、(メラノーマで開発が始まった)新しいがん免疫療法の最新の情報やサンスクリーン剤(日焼け防止)などについてまとめました。今年の記念になる仕事になりました。明後日(2020/12/30) 発売です。

美容皮膚医学BEAUTY 第25号 特集:皮膚がんの診断と治療 

【特集にあたって】

この10年間で本邦の皮膚がん登録者数は年間15000人から30000人に倍増しています。主な要因として高齢化が疑われています。したがって、この増加傾向は今後20年間続き、患者数はさらに1.5倍ほどに増加すると予測されています。一方、皮膚がん死亡者数は年間2000人程度であり、すべての臓器のがんのなかでは最も5年生存率が高く、皮膚がんの90%以上は手術のみで完治します。したがって早期発見が重要です。

皮膚がんの最も重要な原因は長期の紫外線曝露であり、したがって皮膚がんの多くは顔面などの露出部に発生します。一般にシミと呼ばれる疾患の多くは日光黒子や脂漏性角化症といった良性腫瘍ですが、悪性黒色腫や基底細胞癌、ときどき光線角化症(SCC in situ)が紛れ込んできます。また、悪性黒子の30%は日光黒子(シミ)と同居して認められます。また、黒や褐色の病変を気にする患者さんは多いですが、頭頸部に限れば、じつは赤い腫瘍のほうが悪性である確率は高いと思います。顔面の赤色を呈するがんの代表は光線角化症(表皮内がん)と有棘細胞癌ですが、悪性黒色腫と基底細胞癌も色を欠くと赤色を呈します。レーザーや凍結あるいは焼灼などでは組織診断ができないため、施術前に正確な診断と患者さんへの説明、画像の記録が必須です。また、患者さん自身によりスマートフォンなどで皮膚病変を記録しておくような啓発も大切です。時間の経過で変化した所見が観察できて診断上有用です。さらに、患者さんがシミの治療を希望して受診された際は、他の部位、とくに頭頸部全体の診察を合わせて行うと皮膚がんの早期発見に役立ちます。

本号では、顔面に好発する皮膚がんの特徴、診断法としてのダーモスコピー、予防としてサンスクリーン剤を取り上げました。また、2014年、免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブの世界初の承認後からがん免疫療法の新しい時代が始まりました。皮膚がんはがん免疫療法が効きやすい因子の1つである腫瘍遺伝子変異量が多く、全臓器がんのなかで上位を占めています。そのため皮膚がんはがん免疫療法を開発するうえで重要な位置を占めています。そこで、現在急速に進化しているがん免疫療法の新知見についても紹介しました。

この特集が読者の皆様の診療に役立つことを願っております。

宇原 久(札幌医科大学 医学部 皮膚科学講座 教授)

【目次】

〔特集〕
1.皮膚がんは増えているのか
2.顔のシミや色素細胞母斑にはどんな疾患が隠れているのか―とくに日光黒子と悪性黒子、色素細胞母斑と基底細胞癌との鑑別点について―
3.日光角化症の診断と治療
4.有棘細胞癌の診断と治療
5.基底細胞癌の診断と治療
6.悪性黒色腫(掌蹠・爪・粘膜以外)の診断と治療
7.悪性黒色腫(掌蹠・爪・粘膜)の診断と治療
8.皮膚がんと腫瘍免疫
9.皮膚悪性腫瘍の薬物療法の進歩
10.紫外線から皮膚を守る―サンスクリーン剤―
11.ダーモスコピーの基礎

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