夏の終わりには吸血する虫たちが活発になります。いつ刺されたかわからないのにどんどん腫れてくる場合があります。どんな虫にさされのか?刺された時の痛みやかゆみや皮膚の症状で虫の種類がわかるといいのですが。ある程度予測できるかもしれません。
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お盆も過ぎましたが、まだまだ暑いですね。患者さんの次回予約が10月や11月、12月なんてことが増えてきました。今年も残りがそれほどないことを気付かされます。さてこの時期は特に虫に刺されたりすることが増えてきます。季節と関係はありませんが、2か所刺し口があったらナンキンムシ(トコジラミ)なんていう話があります。本当でしょうか。
参考:Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎(虫による皮膚炎について現在最も代表的な本だと思います。)
まず虫に刺されたときの反応は刺された回数(記憶)で変化していきます。
1)初めてさされた虫であれば、何回か目(個人差あり)までは反応なし(似た虫に過去に刺されていたときは次の段階へ)
2)何回かされているうちに、刺された直後は問題ないが、時間が経つうちに反応(赤み、かゆみ、腫れ)が出るようになる。反応が遅く出てくるのでいつ刺されたか、あるいは刺された記憶すらないことがある。ちいさな子供などはこの1-2日間外に出ていないのに体中にかゆいブツブツができてきた、どんどん腫れてきた、水も持ってきた、などとなります(スロロフルス)。
3)さらに刺されていると、刺された直後に赤みやかゆみが出て、しかし一旦は消えるが、2)のように時間が経ってから症状が再発し、悪化してくるようになる。
4)さらに刺されていると、刺された直後は赤みとかゆみが出るが、その後の反応は出なくなる。(毎朝、キュウリやトマトの収穫のたびに数か所蚊に刺されている私の状態がこれです。刺された直後だけ我慢すればあとは問題ないので気にせず刺されています。虫のきらいな家人には考えられない所作だそうです。もう少し刺されていると次の5)になるので、それを目指しています)
5)刺された直後も後もまったく反応がでなくなります。虫さんと仲よく暮らせる境地に入ったということになります。悟りみたいなもんでしょうか。
それでは本題へ
まずは、ブユ・・・刺されたときは痛みもかゆみもなし(気づきにくい)、出血点がある。後々激しい症状になる。
虫の呼び方は地域によって変わります。アブのことをブヨと呼ぶところがあります。でもブユはアブとは全く違う虫です。ブユは体調2-5㎜の小さい虫です。ブユは吸血のときに痛みやかゆみはありません。よって刺されているときはわかりません。刺された皮膚の方は小さな出血があります。赤みやかゆみはありません(ただし、何度も刺されていると刺されて直後より赤みやかゆみが出ますが)。半日以後、特に翌日から腫れてきます。パンパンに腫れてきます。リンパ管に沿ってすじのような赤みが出ることがあります。赤みと腫れとかゆみ、痛みが出ると細菌感染症である蜂窩織炎と似ています。ブユがやっかいなのは治ってから硬いしこりになって何年も残ることがあることです。痒疹といいます。したがって、虫に刺されたみたいで小さな出血のみの場合は後で強い症状や何年も症状が残ることがあるのでステロイドの軟膏(できれば医師の処方薬:市販薬は弱いので)を早めに塗ったほうがよいかもしれません。腫れが強い場合は短期間ステロイドの内服を行うこともあります。抗アレルギー剤は、多少効くかもしれませんが、起きているアレルギー反応を考えると効果は?です。ステロイドが中心になります。
次はヌカカ・・・刺されたときに痛みあり。翌日以後に腫れてくる
ヌカカは1㎜程の小さい虫です。私自身はヌカカという名前を知ったのは仕事をするようになってからです。それまではたぶんブユと同じ範疇に入れていたのだと思います。ヌカカは刺されたときに痛みがあります。血を吸う前に口器で皮膚に傷をつけるからだそうです。チクチク、あるいはチクッとした痛みです。ブユと異なり刺された瞬間にわかる虫刺されです。刺された直後はあまり赤みやかゆみがなく、翌日以後に腫れてきます。
アブ・・・川などにいる大型の虫です。小さな蜂ぐらいの大きさがあります。吸血のときに皮膚に傷をつけるのでやはり痛みがあります。個人的な経験では吸血部位は2-3㎜大の傷になっていて、歯で何度か削ったような傷がつき、そこから出血していることが多いと思います。アブの場合もブユと同じで翌日以後、赤みが拡大し、腫れも強く、リンパ管に沿って線状に赤みなども出ます。私は河原で車のエンジンをかけるとアブの集団が集まってくるような印象があります。慣れていない子供だとパニックになります。
私は川が好きなので、アブとはしょっちゅう遭遇します。パドルの操作中で両手が空いていないときなどには彼らに献血することになります。何度も吸血されているわりには腫れ方は軽くなりません。リンパ管炎にもときどきなるので、写真を撮ってリンパ流がどうなっているかという資料にしています。
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ども!先月、今月と山でブヨ(ブユ)に刺されました。先月は両腕、今月はおでこ。いずれも腫れが酷く、皮膚科でステロイド軟膏とセレスタミン配合錠を処方して貰いました。どちらの場合も腫れがひくまで3,4日かかりました。刺されないように!と言われましたが..。注意してはいるのですがね・・・。腕の刺し傷はまだ治らないので引き続きステロイド軟膏を塗っておいた方が良さそうですね。
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手足と顔は皮下組織の量がもともと少ないので腫れるとつらい部位です。刺されないように注意しても、相手がある問題なので完全に防御するのはなかなかむずかしいですね。お大事に。
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吸血性の昆虫を採取するのにCO2トラップを使うことがあります。ドライアイスを使うこともありますが、車の排ガスを使うこともあるみたいです。
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ありがとうございます。子供の頃、石灰などに酸をかけて蚊柱を作ろうとしたことがあります。うまくいきませんでした。ドライアイスには気づきませんでした。排気ガスも虫を呼ぶんですね。