2018年 日本皮膚科学会総会(広島) 勉強になったなぁ

5月最終週に広島で皮膚科の学会としては最大の総会がありました。1日半しか出席できませんでしたので駆け足でポスターを見て歩きました。さすがに日本中から教育的な発表が集まっていました。いまさらですが私が感心した内容をまとめておきます。ちょっと専門的で、このブログの本来の目的である患者さん向けではありません。自分の備忘録です。

標高300mの縦走?路 三角山から大倉山へ 久々に晴れました

初めて来ました やはりここを滑り降りれる方の気がしれない

これは先週の大通 よさこい、ですね 札幌は毎週なにかイベントがあって、短い夏をきちんすごそうという熱意を感じます(個人的な印象です)。なにか制約があったほうが単位時間あたりの想い出は濃縮されるのかもしれません。

 

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メルケル細胞 Merkel cell

メルケルという言葉で一般の方が思い浮かべるとしたらドイツの首相でしょうか。でも皮膚科医や病理医は(きっと)皮膚に潜んでいる細胞、メルケル細胞が真っ先に浮かびます。1875年にメルケルさんが光学顕微鏡で発見しました(普通の顕微鏡です。電子顕微鏡と区別するためにこんな呼び方をします。)。現在、私たち使っている光学顕微鏡の最大の拡大倍率は1000倍です。約150年前の顕微鏡はもっと倍率が低かったと思いますが、メルケル先生は皮膚の神経とつながっている(表皮の細胞より)小さい細胞があることを見つけました。きっと触覚(圧を感じる)に関係した働きをしているだろうと思われてきましたが、長い間その働きは解明されませんでした。2014年、コロンビア大学皮膚科の日本人研究者,仲谷先生、馬場先生によって触覚に実際関わっていることが証明されました。

表皮のメルケル細胞がやさしく触れられた刺激を受容して求心性神経に伝える機能を解明

昔、NHKの達人を紹介する番組で1000分の1㎜を指腹で感じることができる職人の方が紹介されましたが、あの技にはメルケル細胞が関わっているのだと思うとちょっとわくわくします(えらいぞ、メルケル細胞!っていう感じでしょうか)。

前振りが長くなりました。今、毎年恒例の米国臨床腫瘍学会(シカゴ)に来ています。今回はメルケル細胞から発生する?メルケル細胞癌の新薬のお話です。

学会場とダウンタウンのホテル間にはシャトルバスが随時走っていますが、乗ってみたかった電車で帰ってきました。100年以上の歴史を持つ高架鉄道です。むき出しの重厚な鉄の支柱がいい感じです。

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