平成30年大晦日

今年も最後の日になりました。朝は近所の日帰り入浴施設”お殿様の湯”に入り、露天風呂で雲一つない空を見上げていたら、入ってきたおじいさんに「今日は寒いねぇ」と声をかけられました。「晴天ですからねぇ」と答えたら、「そーだねぇ」とおじいさん。まったりと、そして午前中に入浴している罪悪感を少し感じながら「しわせだなぁー」と思ったのでした。

さて、今年を振り返ります。

1月 新年のご挨拶と故大野乾先生の書籍をもじって「大いなる仮説」でパンダの模様とシャムネコの模様について。今一つでした。

2月 札幌2年目に入りました。アレルギーの原因検査のパッチテストで何が調べられるのか、について書きました。パッチテストはかぶれや薬疹の原因を調べるとても優れた検査ですが、セットになっていない日常品(化粧品、石鹸類など)について調べるときは大変手間がかかりますが、とても安い検査です。21種まで1個160円、22種以上検査した時は3500円(これに個人の支払い率、通常3割をかけると個人負担は1種類当たり50円ちょっとになります。特に皮膚科医が常勤している機関病院以外の皮膚科でこの検査をやっている皮膚科の先生は本当にご苦労だと思います。

3月 教授の新任や退官の記念学会で発表することの怖さや大切さについて個人的な感想を述べました。紅白は星野源のSUNだ。このヒトぐらい働いたらよい仕事ができるだろうな。

4月 Visual Dermatologyという皮膚科の雑誌の4月号は毎年新人向けの特集を組みます。今年はありがたいことに編集を依頼いただきました。私の施設のスタッフの総力を挙げて”皮膚科の問診術”と題して企画しました。抗PD-1抗体による癌の免疫療法が癌治療を変えて4年経ちました。どのような条件を持つ方が薬が効きやすいのか?という点が調べられています。肥満の男性は新薬が効きやすいのではないか?という記事を紹介しました。

5月 東京に次いで二番目に札幌にできたメラノーマ患者会に呼んでいただきました。とても良い経験になりました。新しいお薬の開発を行う上で重要な治験の探し方について書きました。毛染め剤が合わなくなってしまったときの代替品について書きました。

6月 毎年6月初旬は皮膚科最大の学会と世界最大のがん治療の学会ASCOが重なって開催されます。どちらも重要な情報を得て勉強できる会議です。あわただしいですが今年も両会議を楽しむことができました。昨年末に抗PD-L1抗体という3番手のがん免疫療法剤がメルケル細胞癌という、これまた非常にめずらしい皮膚腫瘍に保険適応になりました。メルケル(Merkel)細胞がんについて書きました。

7月 紅白はミルねーさん。懐かしい。がん患者さんにはいろいろな皮膚のトラブルが起きます。癌の雑誌に皮膚のトラブルの見方や対応について書きました。夏に出やすい皮疹について書きました。北海道の夏は美しく、そしてそれを楽しめる期間は限られています。今年もなんとか2回、海で遊ぶことできました。天売は天気が悪かったのですが行ってよかったです。よい思い出になりました。

8月 紅白はPerfumeだ。毎年映像がすごいなぁ。

皮膚炎の形が幾何学的なときは外からの原因(かぶれなど)を疑う、という記事を書きました。

昨年に続いて3回目の積丹半島カヤックに出かけました。陸路ではいけないシシャモナイの滝が落ちる海岸に上陸できました。今回はニューヨークから参加のご夫婦と一緒のツアーでした。来年はお子さんたちを連れてくるそうです。気にいったんですね。昨年はシンガポールからカップルが参加されてましたので、ニセコだけでなく、積丹も世界から注目されつつあるのかもしれませんね。本当にいいところなんです。紅白ではけん玉成功。ギネス記録。セカイノオワリ、サザンカだ。オリンピックはずいぶん前だったような感じがする。

今年もお山の診療所に行けました。昨年より軽く登れたのですが、下山時に登山口手前の平らなところでこけました。頭の中と足腰の間のギャップが広がっているようです。

9月 WHOが出している皮膚腫瘍の分類の改訂4版が出ました。メラノーマとほくろの項に参加させてもらいました。何年か前にメラノーマの病理診断についてソウルで話さないかと、当時の皮膚病理の理事長のお誘いを受けたのがきっかけです。相当のストレスでしたが、何とかこなした後には一つのハードルを越えたような達成感がありました。その後、その時に知り合った韓国の先生方と親しくなり、太田(テジョン)に呼んでもらったり、今回のオファーに繋がりました。出会いは大切です。

お薬手帳を病院に持って来てもらうことの大切さを書きました。大きな揺れがあって、北海道は停電になりました。病院には緊張が走りました。関係者のサポートに感謝します。電気がないことの大変さを実感しました。停電の街はとても静かでした。電力が回復して横断歩道に音楽が流れ始めたときに現実にもどったような不思議な感じがしました。多くの方が被災されました。お見舞い申し上げます。

紅白はサブちゃんの祭だ。

10月 ヨーロッパのがん治療学会に行きました。突然訪問したミュンヘン大学皮膚科で退官寸前の教授とドイツ皮膚科学会のレジェンドにお会いすることができ、ご著書をいただきました。一緒に行った友人に、(ちょと大げさなたとえですが)アリアンツ・アレーナに見学に行ったら、偶然廊下でベッケンバウアーに会い、彼にサイン入りのユニフォームをもらったみたいなもんだ、と言われました。紅白は松田聖子だ。若いころ(失礼)と歌い方が同じなのがすごい。

ずっと治験でかかわってきたチェックポイント阻害薬の開発の始まりを見つけたお二人がノーベル賞を受賞されました。治験を始めるときに関係者で集まったときの会議の熱さを思い出しました。

11月 顔の皮膚がんを色からから解説しました。フレデリー・マーキュリー、ボヘミアンラプソディはよかった。紅白は椎名さんと宮本さん。かっこいいなぁ。曲の終わりに椎名さん「良いお年を」でしょうか。ユーミンはひこうき雲からやさしさに包まれたなら。小さい頃は神様がいて・・・眼に映るものはメッセージ。うん、いい。次は星野源。

12月 記事が書けない月になりそうだったので天皇誕生日を挟む連休になんとか、仕事による手荒れについて書きました。米津さん、生の声が聞くことができたと家族が盛り上がっている。いい曲だ。次にMISHA、うまいなぁ。ゆず。そしてうわっ布袋さんだ、石川さゆり、天城越え。嵐、そしてサザン。勝手にシンドバット、懐かしい。なんとか精いっぱい生きたな、と思ったので、今年はまずまずとします。明日から来年だ(あたりまえだ)。

手荒れとお仕事

皮膚科に手荒れの患者さんがたくさん来ます。手全体がカサカサして、指先がひび割れているけれど、赤みやかゆみがなければ、お湯と洗剤による皮膚の保湿成分の流出によるものと考えます。これは頻回に手を洗ったり、素手で洗剤をいじっていれば誰にでも起きることです。でも手が赤く、かゆければかぶれが起きています。家事で起きるこ場合はなんとか予防も可能ですが、現在従事している仕事が原因の場合はなかなかやっかいです。仕事は生きていくための生業だからです。今回は職業による手荒れについてです。
参考:Monthly Book デルマ、2018年12月号の特集(達人に学ぶ“しごと”の皮膚病診療所“(産業医大 中村元信先生編集)より
よし、冬がきたぞ、・・・・と。まだ余裕があります。

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