よくある皮膚の病気(8) オムツかぶれ
赤ちゃんのオムツかぶれは以前より減ってきたような気がします。布オムツから使い捨て型の紙オムツへほぼ完全に移行したせいでしょうか。
赤ちゃんのお尻に赤いただれができた時に考える病気は2つ・・・他にもたくさんありますが、よくみられる皮膚病として述べています。
1.オムツ皮膚炎
2.カンジダ症
見分け方
カンジダは皮膚炎を取り囲むように赤い点々(丘疹)が多数あり、一部は膿を持っている(黄色くなっている)。薄い半透明の膜が付いている(または、こすると剥げる)・・・・です。研修医の頃、「オムツかぶれでは、しわの間に皮疹はできない。カンジダはしわの間にもできる・・・菌は蒸れたところが好きだから」と教えられましたが、これはn布おむつ時代のお話で、紫外線によって劣化して硬くなった布によって皮膚に擦れが起きていたようです。現在の紙オムツではむしろ、端のギャザーやテープの下に症状が出るようです(佐々木りか子、おむつ皮膚炎の対策、やさしい小児皮膚科学、皮膚科診療プラクティス、文光堂より)。布オムツがまだ紙おむつに勝る、などと言っている方はいませんよね。少なくても皮膚に対しては紙おむつがやさしさで勝っています。ただ、紙オムツにもごみとしての問題は残りますが。
治療
カンジダはよく乾燥させるだけで治ることもありますが、できれば皮膚科で検査して、塗り薬をもらいましょう。数日できれいになります。
オムツ皮膚炎について
オムツ皮膚炎は便や尿によって皮膚がふやけたり、ただれたりすることによって起きるとされていますが、最近の赤ちゃんのお尻を見ていると、別の原因もありそうです。
それは、 拭く(ぬぐう)という行為と、濡れティッシュ、の使用と、最後に替え過ぎ、です。
例えば、濡れティッシュやガーゼハンカチ(ガーゼは意外と目が粗く、弱い皮膚を拭くのに良い素材ではありません)を、大人である自身の口の周りや、排便の後の肛門の周りを、数回拭き取るという行為を1日数回行ったらどうなるか? と考えてみてください。赤くひりひりしてくることは容易に想像できます。
皮膚の表面は薄い角層(いわゆる垢)で覆われていますが、少しこするだけでこれは取れてしまいます。これが取れると皮膚のバリアは破壊され、水分の蒸発が進んで乾燥したり、炎症が起きやすい状態になります。
だから、排便後の赤ちゃんのお尻は水かお湯でパシャパシャ洗ってから、やわらかいタオルで抑えるように水気を取るだけでよいでしょう。絶対横方向にこすらないことです。濡れティッシュは旅行中などでやむを得ない場合だけにした方がよいとでしょう。
関連記事:赤ちゃんのお尻がただれて、痛がる(2)
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先生はじめましてこんばんは。
7ヶ月の赤ちゃんが1週間程前から軟便から下痢にかわり、今は水便のような下痢をしています。
RSウィルスという風邪にかかり、咳と高熱が続いていて体力もかなり落ちています。その状態でおしりふきを使用し、かなりただれてしまいました(>_<)
排便するたび痛むようで、ものすごい泣き喚きます;;
今は大量に便をしたときはお湯で洗っていますが、少量のときはおしりふきをまだ使用しています。たとえ少量でもやはりお湯で洗ってあげた方がイイのでしょうか?
小児科でもらったまたサトウザルベを厚めに塗っていますが、このまま続けてイイのでしょうか?やはり専門の皮膚科の先生に診ていただいた方がイイのでしょうか?
長々とスミマセン;;
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痛そうでかわいそうですね。対処方法についてはブログの本文のほうに詳しく書きました(記事への採用について何か問題があれば対応しますので、返信ください)。小さいときはいろいろあって大変ですね。早く元気になるよう祈ってます。