皮膚癌は痛くもかゆくもない!

よくある皮膚の病気(10)

皮膚癌は痛くもかゆくもない!

よくある皮膚の病気ではないけれど、一般に誤解されていることが多いような感じがするので、書き留めておきます。ただ、例外は必ずある、ということはこのカテゴリーの最初のところで説明したとおりです。

さて、皮膚にしこりができて(ある日気づいて)、押すと痛みがあったり、自然に痛みを発したりする場合、まず、私は癌を疑いません。通常は、汗腺、神経、筋肉、線維などに由来する良性の腫瘍を疑います。あるいは、顎や首、ももの付け根であれば、腫れたリンパ節や化膿した粉瘤(よくある皮膚の病気1)の場合もあります。ただ、痛ければ病院に行かなくて良いということではありません。痛い場合は、あんまり心配しないで病院に行きましょう、ということです。

腫瘍の周りの神経に浸潤したり、かなり腫瘍が大きくなった場合を除いて、皮膚がんのほとんどは痛みを伴いません。ただし(言い訳が多くてすいません)、逆に痛くない腫瘍がみんな皮膚がんではありません。痛くない腫瘍の中に極めて稀に皮膚がんがあるということです。

例えば、皮膚がん以外でも、首のリンパ節が腫れて痛い場合はほとんどが虫歯などの感染によるものです。痛くもなんともないのに3-4cm大に腫れている、などという場合は病院に行きましょう。内蔵癌の転移や悪性リンパ腫を否定してもらいましょう。・・・・(結局は痛くても、痛くなくても病院に行け、ということになってしまいました。)

癌=痛い・・・というのは、映画やドラマなどで末期がんの患者さんが痛みに苦しむ場面などから想像されるのでしょうか。

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