よくある皮膚の病気
昨日マンゴ食べたでしょう?
それもマンゴの皮についた果肉を下の歯でそぎ取るように食べたでしょう?
皮膚科にかかる患者さんの多くは湿疹皮膚炎群といわれる疾患です。アトピーやかぶれなどが含まれます。特にかぶれは原因を見つけられれば再発を防ぐことができるので、原因探しはとても大切です。患者さんに根掘り葉掘り聞いていきます。うんざりとした顔をなさる方もいますが、ここは踏ん張り所と問診を続けます。
そんな中で、一発で原因がわかる症状を示すかぶれがあります(はずすことも多いですが、たまに当たると嬉しいので(気持ちは子供ですね)、一応、○○食べませんでしたか?、と聞くことにしています)。
マンゴはウルシ科で、時にかぶれることがあります。口の周りが真っ赤になり、小さい水疱などを伴い、ウルシのかぶれに似ます(カールのおじさん状態)。聞くとほとんどがマンゴの皮についた果肉を下の歯でそぎ取るように食べた、とおっしゃいます。サイコロ状に切ってあるものを食べた場合は口の周りに果汁は余りつきませんが、そぎ取るように食べると果汁がつきやすいのでしょう。
マンゴを初めて食べたのは、多分大学入学後だったと思います。サイコロ状になった黄色い果物を初めて食べたとき、とろけるような甘みに加え、南国の香りがしました(沖縄にも海外に行ったことはなかったのですが)。パイナップルやメロンの上を行く高級果物の存在を知ったのでした。ある日、好奇心からマンゴを1つ買って家に帰りました。真ん中に包丁を入れたところ、種に当たって切れません。少しづつ外側にずらして切れ込んでもまた種に当たってしまいます。かなり大きい種が果実の中央を占拠していることがわかった頃には見るも無残な状況になっていました。情けないやら、腹立たしいやら、これほど恨みを感じた果物は他にありません。今でもマンゴを見ると、内部を占拠する種が透けて見えるような気がします。