イミキモド(ベセルナクリーム)がやっと発売された。

イミキモド(ベセルナクリーム)がやっと発売された。
尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま)治療用の塗り薬であるイミキモド5%クリーム(商品名:ベセルナクリーム)が先月やっと発売になりました。欧米では10年前に発売された製品です。外国の学会で皮膚がん(基底細胞癌:きていさいぼうがん)に対する効果についての発表を聴くたびに、日本ではいつ使えるようになるのか心待ちにしていた薬です。

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尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま)は、イボウイルスによる病気です。手指や足の裏にできるイボと同じ種類に属するウイルスが感染して起こります。
尖圭コンジローマの症状は、
男性では、亀頭(きとう)と陰茎(いんけい)の境目にブツブツした小さなものができはじめ、だんだん数が増えてきます。人によっては亀頭全体に広がり、おしっこの出口(外尿道口:がいにょうどうこう)にまで拡大する場合もあります。
女性は膣周囲の粘膜にできます。
さて、イミキモド5%クリーム(商品名:ベセルナクリーム、持田製薬)の効果です。
日本で行った臨床試験による完全消失率(つまり、完全に治った人の割合)は、
イミキモド5%クリーム:63.6%
イミキモド1%クリーム:40.4%
プラセボ(上記の薬剤が全く入っていないクリーム):34%
でした。外国の試験ではイミキモド5%クリームで約半数の方が治るとされていますので、ほぼ同じ効果が得られることがわかりました。薬が入っていいないクリームでも34%の方が治っています。これはプラセボ効果といわれており、多くの薬剤の臨床試験時に観察される現象です。つまり、「これ効くよー」て患者さんに効果のない薬をわたしても、症状が軽くなる方はある率で必ずいるわけです。プラセボ効果についてはまた後日に。
これまで、尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま)の治療は、他のイボのように液体窒素で凍らす、電気メスで焼く、5-FU軟膏(抗がん剤の軟膏:よく効きます)、DPCPやSADBEでかぶれさす、モノクロロ酢酸やフェノールで焼く(科学熱傷をおこす)、など、痛い、かゆい治療しかありませんでした。それに、上記の治療は保険で認められていないものが含まれています。
イミキモド5%クリーム(商品名:ベセルナクリーム、持田製薬)に期待します。
なお、この製品との間に利害関係はありません。

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