赤ちゃんには、いろいろな皮膚のトラブルがおきます。
乳児湿疹や、もちろんアトピー性皮膚炎、ウイルス感染などにともなう全身の皮疹などなど。
外来で、時々、「昼間はそうでもいないのに、入浴後に発疹の赤みがすごく目立つ」とお母さんから相談されることがあります。
最近は、携帯で撮ってきた写真をみせてくれる方もいます。
結構、派手な赤色の点々がでています。
昼間に完全に消えてしまうのであれば、じんましん、などを疑います。
昼間も残っていて、形も数もそんなに変化はないが、赤みだけ変化する場合は、それ自体をあまり心配する必要はないと思います。
たぶん「今の状態よりも、もっと症状のひどいときがあるので、軽く考えないで、ちゃんと診てよ、先生」という気持ちも入っているのでしょう。わかります。じんましんの方も同じようなことをおっしゃるので。
関連記事: 「外来で長時間待っているうちに、かゆい皮疹が消えちゃった」
赤ちゃんは皮膚が薄いので外気温に敏感です。お風呂上りは血管が開いて、とくに湿疹など既に炎症のあるところは、さらに赤みが強く出るのだと思います。
大丈夫です。色が薄くてもちゃんとわかりますから。
1日の内で変化する赤みは普通はあまり大きな意味はありません。
さて、あかちゃんに限らず、慢性の湿疹(像の皮膚のようにゴワゴワになって、あまり赤みが強くないタイプ・・・じつはこじらせて慢性化した状態です)にステロイド外用剤を塗ってもらうときに、注意があります。
ステロイドを塗ると、すぐに赤みが取れます。血管の収縮作用によります。かゆみも徐々に軽くなるため、見た目は治ったようになります。でも、治ってないんですね。これが。
「目をつぶって触ってみて、ゴワゴワがわからない、皮疹の存在が手でわからなくなるまで薬をぬってください」 ゴワゴワ(特に手荒れや首にできるタイプ)が強い場合は、最低でも3-4週はかかると思います。
まとめ
1.赤みは目立つ症状ですが、あまり心配しない(でも、先生には言ってね)。
2.慢性のゴワゴワした湿疹を塗り薬で治療する場合は、色よりもゴワゴワを治療効果の指標にする。