ちょっと書きたらなかったので、追加。
前の記事:肌の色は白いほうがよいのか、黒いほうがよいのか
今日の朝刊に、オバマがクリントンを抑えて民主党の大統領候補になったという記事が出ていました。初の黒人候補です。肌が黒いと、どのようなことが起きるのかを試したある白人の手記があります。
PUVA(ぷーば)という、紫外線療法があります。P(紫外線感受性を上げる化学物質)+紫外線A(UVA)=PUVA)。本来は皮膚疾患を治すための手段(当たり前か)ですが、治療をすれば当然皮膚の色は黒くなってきます。
その白人は、知り合いの皮膚科医にPUVAをしてもらい、皮膚を褐色にし、黒人として最も差別の激しい町に乗り込んだのです。
肌の色が黒くなっただけで起きたこと。周りの景色も歩いているヒトも変わらないのに、自分に対する周りからの対応だけが大きく変わります。恐ろしいことに、その対応は本人の精神をもむしばんでいきます。時空の移動のないパラレルワールドのようなものです。でも、ものすごく恐ろしい世界です。
「私のように黒い夜」
紹介文より:「白人が黒人になったら、どんな風に自分を変えなければならないのだろうか?
皮膚の色という、自分でどうすることもできないもののために差別を受けるというのは、どんな気持ちだろう?」 1959年のある日、黒人に姿を変え、自分自身で差別の実態を体験してみることを決意したジョン・ハワード・グリフィン。旅する先は、当時もっとも過酷な人種差別が行われていたアメリカ合衆国南部の街。それもバスとヒッチハイクを乗り継いでの旅だった。
お勧めです。訳者の平井イサクさんは昨年末亡くなられました。上品な方でした。この本の復刻は大きな仕事だったと思います。ご冥福を祈ります。