ニキビ(痤瘡:ざそう)にはいくつか種類がありますが、病気としての定義はしっかりしています。一方、吹き出物が何を指しているのかはっきりしないところがありますが、顔の毛穴に一致した赤いブツブツのことを言っているなら、たぶんニキビと同じものでしょう。ただ、ニキビにも、大型で化膿したニキビ、ステロイドの飲み薬で出るニキビ、お化粧によるニキビや機械油などがかかってできるニキビ、など、いろいろなタイプがあり、それぞれ症状が違います。
ニキビの実態について・・・川島 眞先生(臨床皮膚科62、673-682,2008)より
関連記事:
ディフェリンゲル(アダパレン)が発売されそうだ1
ディフェリンゲル(アダパレン)の使い方
ディフェリンゲルについての質問に対する答え
月: 2008年8月
ディフェリンゲル(アダパレン)の続き
使い方のまとめ
年齢:12歳以上(12歳以上でしか試験していないから12歳未満の安全性はわからない)
塗る部位:顔(外国では胸や背中にも塗っているけれど、顔でしか試験していないから)
塗り方:1日1回、洗顔後、寝る前に塗る(ニキビとその周囲のニキビ予備軍が出そうなところに塗る)
*強く洗って傷があるところはしみるからつけない。
*化粧水や保湿剤を塗る場合は、これらを塗った後にディフェリンゲルをつける。
*早く治そうとして1日2回つけたりしない。
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ニキビの新しい薬がやっと出る(ディフェリンゲル、成分はアダパレン)
尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)=にきびの新しい塗り薬がやっと発売されそうです。・・・2008年10月に発売になりました。
商品名はディフェリン ゲル0.1%、成分はアダパレンです。レチノイド(ビタミンA誘導体)です。ニキビに使うレチノイドの外用剤は、RETIN-A(トレチノインゲル)が初めてのお薬ですが、刺激感が強いことから現在はディフェリンが一番売れているようです。アメリカ(USA)やヨーロッパでは10年以上前に認可され、現在では50ヶ国以上で販売されている製品です。
資料から、効果や注意点などをまとめてみます。
Kawashima M, J Dermatol Sci., 49, 241,2008より
以下は関連記事
ディフェリンゲルについての質問に対して
ディフェリンゲルの副作用と効果・・・しみる、乾燥する・・・どのくらい塗れば効果がでるの?
しみる薬は入浴後や洗顔後には塗らないほうがいい
カニやエビや魚のアレルギー
カニやエビを食べたら、くちびるや粘膜が腫れてきた。全身にじんましんが出た。
殻をむいていたら手がかゆくなって、腫れあがってきた(接触蕁麻疹:せっしょくじんましん)。
魚の原因物質は、パルブアルブミンとコラーゲン、カニ・エビはトロポミオシンという筋肉の収縮にかかわるたんぱく質です。カニ・エビは、きっと甲羅の成分(キチンなど)が原因だろうと長い間勘違いしておりました。
参考にしたWebサイト:
かっぱの食物アレルギーのトリビア
アレルギー支援ネットワーク
参考文献:濱田 友貴; “魚貝類アレルゲンに関する食品化学的研究”, 日本水産学会誌, Vol. 71, pp.527-530 (2005) .
関連記事:口腔アレルギー症候群(パンを食べてから運動したら意識を失った)
あせも、汗も、汗疹、アセモ
暑いですね。アセモについて引き続き。
腋の下、おっぱいの下、股などが汗でただれる。
この時期によくおこる皮膚疾患です。
予防法や皮膚科にかかるポイントなどを簡単に。
関連記事:
赤ちゃんのおしりがただれた(考える病気は2つ)
・・・赤ちゃんのお尻のケアに関するちょっとした注意点
局所多汗(きょくしょたかん):最新の治療とは?
前記事の続き。
手の汗が多くて困っている方についての、治療に関する最新の情報について。
医学論文検索エンジン(PuBMed)で検索してみたらよい総説がありました。
Walliner先生(Expert opinion on investigational drugs 2008より)
“局所多汗(きょくしょたかん):最新の治療とは?” の続きを読む
手の平から多量の汗が出る:局所多汗症(きょくしょたかんしょう)
3つ前の記事(手の汗も)の続き。
手の平に汗が多量に出て、勉強や仕事に支障が出る・・・こういう症状を持つ方が結構います。ネットで調べると、かなり詳しくこの疾患について掘り下げているページもありました。
治療について。
ステロイド外用剤の吸収率
九州大学皮膚科教授 古江増隆先生のずっとまえの公演のメモから(不正確なところがあるかもしれません)
正常皮膚:3-5%
正常皮膚にぬってからラップなどで被った場合(ODT):28%
角層(かくそう:皮膚のアカ)の部分をはいだとき:78-90%(外用4-6時間後)
(皮膚をこすったり、テープなどでアカをはいだ後)
アトピー性皮膚炎の皮膚:90%
・・・ただし、連続外用4日目には皮膚のバリアが復活し、吸収率低下する
ついでに、外用剤をどれだけ塗ったら、飲んでいるのと同じになるか?
リンデロンV(0.12%)を単純に全身に20g塗った時、あるいは10gをぬってからラップで被ったときは副腎抑制が起こる可能性があります。デルモベートだと、1日10gの単純塗布で体が1日に自然に作っているホルモンの量と同じになります。
ここで、ステロイドといっているのは正確には副腎皮質ホルモン剤のことです。副腎は普段からこのホルモンを作っていますが、体の外から持続的に補給されると、もう十分と判断して作らなくなってしましまいます。この状態で、体の外からの補給(内服、時に外用)が急にとまると、体の中に副腎皮質ホルモンがない状態ができてしまうのです。
ステロイド外用剤のぬりかた、気をつける点など
手の平や指に小さい水疱(すいほう)ができた
手の平や指の側面に小さい水疱(すいほう)ができる。そのうちに丸く白くむけてくる。
考える病気は以下です。
1.あせも(汗疹:かんしん、異汗症:いかんしょう)、異汗性湿疹:いかんせいしっしん
2.かぶれ(接触皮膚炎:せっしょくひふえん)
3.手の水虫(みずむし、白癬:はくせん)
関連記事
・手や指の皮がむける1、2
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・むし歯と皮膚病