授乳中でも飲める薬(皮膚科関連)

妊娠中も出産後も、さまざまな皮膚のトラブルが起きます。
赤ちゃんに与える影響を考えてかゆみを我慢し続けるお母さんも多いと思います。短い間隔での授乳でさえ睡眠不足になるのに、これにかゆみが加わったら大変です。日本では、薬を飲まなければならなくなったときに、必要以上に授乳をとめることが多いそうです。
今回は、授乳中でも比較的安全に使用できるお薬について以下のサイトを元にまとめてみました(参考:国立医療生育センターのHP・・・授乳中に飲める薬が表になっています)
なお、妊娠や授乳とお薬との関係については、新しい情報(新しい薬、新しい副作用情報)が次々と出てきますので、本ブログを含めて、古い記事には注意が必要です。必ず主治医に確認してください。PA121527_convert_20081013175813.jpg
注意:授乳中に飲んでもまったく問題ありません・・・などと説明書に書いてある薬はひとつもありません・・・今回の記事をもとに勝手に薬を使用しないでください。しつこいですが、必ず主治医の指示に従ってください。


まずは、基本事項
貼付剤(ちょうふざい:はりぐすり)、外用剤(がいようざい:ぬりぐすり)、坐薬(ざやく:おしりからいれる薬)、吸入薬(吸い込む薬)はお乳に出にくい。造影剤もお乳に出にくい(皮膚にただれがあるとたくさん吸収されますので、皮膚の状態によっては注意が必要です)。
参考記事:妊娠中にステロイド外溶剤を使用してもだいじょうぶか?
では、実際のお薬について(一般名、先発品の商品名などが混在しますが、すいません)・・・特に利害関係はありません。
かゆみ止めの飲み薬(じんましんなどに対する抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤)・・・クラリチン(商品名)、アレグラ(商品名)は母乳へ出にくいので使いやすい。お母さんが眠くなるような薬は避ける。これは第1世代の抗ヒスタミン剤(ポララミン(商品名)やホモクロミン(商品名)などがあてはまります)。妊娠中にどうしても処方しなければならない場合はポララミンが良く使われていますので、意外です。
痛み止め・・・アセトアミノフェン(一般名)商品名カロナールなど。イブプロフェン(一般名)は乳児に与えるのは禁忌(きんき:絶対だめという意味)だが、お乳へは出にくいので、お母さんは飲める。
ボルタレン、ナイキサン、インテバンもOK
抗菌剤(細菌感染症(バイキン)に対して使う)・・・ペニシリン系(ユナシンなど)、セフェム系(ケフラールなど)、マクロライド系(クラリスなど)、ニュウーキノロン(クラビット)・・・(カッコ内は商品名)。カビに対してはジフルカンもOK。テトラサイクリン系はダメ。
ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)・・・お乳にでる率は10%程度なので使える。大量(パルス療法)に投与する場合は、投与後数時間はおっぱいをあげるのをやめる。塗り薬はOKです。
・ヘルペスの薬・・・ゾビラックス、バルトレックス(共に商品名)はお乳に出にくい。
おっぱいは大切です。おっぱいの中にはお母さんがこれまで生きてきた間に得てきた様々なウイルスなどの病原体に対する免疫(抗体)が入っています。赤ちゃんはおっぱいを飲むことで、いろいろな病原体に立ち向かうことのできる武器をお母さんから簡単にもらえるということです(でも生後半年までね。半年過ぎたら自分で獲得していかなければなりません。でも、余計な感染症にかからないためには予防接種という手があります)。また、授乳は精神の発達や親子関係を作るうえでも重要です。
授乳中だからといって、すぐに薬の使用をあきらめたり、逆に授乳を中断してしまったりしないで、先生に相談してみるということが必要ですね。でも、お母さんは大変です。頭が下がります。

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