膝から下(すね、下腿)のむくみは、普通は内科にかかることが多いと思います。普通、心臓や腎臓に異常がないか心配になるからだと思います。でも、皮膚科を受診される方もけっこういます。もちろん内蔵の病気を疑う場合は内科の先生にも診察していただきます。
1)下腿がむくんでいる。
2)手足がしびれる。
3)糖尿病がある、あるいは胃の手術をしたことがある、あるいはアルコールをたくさん飲む。
脚気(かっけ)も考えないといけません。
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久々に雪が積もりました。
昨年自生しててきたレモン(たぶん)。寒さに強いホウレンソウ、野沢菜、ルッコラも今年の寒気にはかなりやられていますが、意外にもこのレモンとコリアンダーは元気です。
久々にイカ墨パエリア
皮膚科医がかかわる(内臓や全身的な原因によらない)下腿のむくみの原因は、静脈瘤(じょうみゃくりゅう:静脈の弁がうまく機能しないで下肢に血液がとどこおる状態)によるものが多いと思います。普通は両下腿にでます(左右差はあります)。静脈に原因がある場合は、むくみだけではなく、皮膚の表面に赤い湿疹や茶色のシミ、潰瘍(かいよう:ただれてしまった状態)をともなっています。また、特に足首からスネの真中までのスネの正面やや内側にかけて皮膚が板状に硬くなる場合もあります(皮下脂肪が変化してしまった状態です)。
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突然片方の下肢がむくんで冷たくてだるさを感じるようになった場合は、深いところの静脈に血液のかたまりができて、つまってしまった(深部静脈血栓:しんぶじょうみゃくけっせん)可能性もあります(血液検査でDダイマーを調べたり、エコーをやったりします)。
また、片方のすねが急に赤く腫れて痛む場合(38度以上の熱がも出ることが多い)は、細菌が皮膚の深いところに感染した蜂窩織炎(ほうかしきえん)や丹毒(たんどく)の可能性があります。まれですが、皮下の深いところに出血がおきたときも同じような症状になります(熱はでません。血液検査で炎症の反応もありません)。
前置きが長くなりました。
以上のような赤みなどの皮膚症状がないのに、下腿(かたい:ヒザから下)がむくんできた。
手足がしびれる。
心臓がどきどきする。
体全体がだるい。
なんていうときは、甲状腺や貧血がないか検査して内科の先生に紹介します。
そしてもうひとつ。古くから良く知られている病気。脚気があります。
ビタミンB1の欠乏からなる病気であることは良く知られています。過去には結核とならぶ2大国民病だったそうです。
最近は、アルコール多飲、胃切除後の吸収不良、糖尿病などによることが多いようです。また、きびしいダイエットなども原因として知られています。
秀吉や徳川家のお殿様、明治天皇など、脚気を患っていた可能性のある方々がたくさんいます。
また、脚気の原因追究の歴史、脚気と日本の近代史における軍との関係などなかなか興味をそそります。
脚気の原因探求の歴史(軍や政治との関連や感染説と栄養説の戦いなど)に焦点を当てた領域は意外と映像化されていないんですね(私が知らないだけかもしれません)。面白いと思うんですが。NHKなどが3話ぐらいのドラマにしてくれないでしょうか。