赤ちゃんの口の周りはなるべくきれいにしておいたほうがよい?

あかちゃんの口のまわりは、よくただれます。
よだれがたくさん出ることも関係しているのでしょう。
よだれが外に漏れなくなる、あるいは上手に食べれるようになるまでは、一生懸命治療してもなかなかよくならないので、スキンケアだけ注意して、大きくなるのを待ちましょう、なんてお母さんに説明してきました。
東京逓信病院皮膚科の江藤先生の講演を聴いて、赤ちゃんの口の周りはなるべくただれ(傷)がないようにしておいたほうがよいという気になってきました。食物アレルギーの予防のために大切かもしれないからです。
blue berry 2011
ブルーベリー 今年初の収穫 かなりすっぱい
hoozuki 2011
初めて植えてみた食用ミニホオズキ 昨年植えた普通の食用ホオズキは予想以上に巨大化したので今年はミニで。


あかちゃんの口周りは、特になにもしなくてもただれることがあります。
でも、一つだけお母さんに注意してもらっていることは、よだれや食べ物の残りかすをふき取らないようにすることです。自分の口のまわりを、毎食後、ティッシュやガーゼで拭くことを想像してみればわかりますが、かなりヒリヒリ、そして赤く、もともと軽いただれがある場合は、さらに、ただれが痛みます。
蛇口の下につれてって、ピシャ、ピシャと水だけで汚れを流し、あとは押さえるようにティッシュなどで水気を吸い取る。というような方法が一番皮膚にやさしいと思います。ウエットティッシュは非常用(旅行中など、水がないとき)と考えたほうがよいと思います(超個人的な考えです)。ふき取っていても皮膚が痛まないお子さんなら、特に注意する必要はないと思います。ガーゼは柔らかい布の代表と思っている方もいると思いますが、かなり目が粗く、こすれば皮膚は痛みます。不織布や柔らかいティッシュのほうがやさしいと思います。
話をお題にもどします。
かぶれや食物などのアレルギーは、まず何回か体にある物質が入ってきて、そのとき、体がその物質を「いやだなぁ」と認識し、その物質に反応するシステム(記憶:感作 かんさ)を作ることが最初です。
食べものは普通は口から腸に入りますから、きっと口から腸の間で始まりはおきるのだろうと考えます。
でも、他にも物質が体に入り込む道筋があります。皮膚です。経皮感作業(けいひかんさ)といいます。
正常な皮膚は強いですから、ほとんど物を吸収しません。外用剤だってそうです。
しかし、皮膚に穴が開くと、容易に皮膚にいろいろなものが入ってきます。皮膚は外界から体を守るバリアですから、免疫も発達しています。穴が開く・・・免疫が身構える(バイキンがはいってくるぞ、と)・・・そこに普通生活上使っているのもの(化粧品、薬品、塵、アロマオイル、そして食べ物)が入ってくる・・・免疫はこれらのものを敵として認識する。
次に実際に敵と認識されたものを食べる・・・・アレルギーが起こる。といった具合です。加水分解小麦の入った石鹸で顔を洗っていたら(洗うという作業は皮膚の表面を削るということですから、穴が開きます)、小麦の摂取でアレルギーが起こるようになった、ということが話題になりました。
鶏の卵や乳製品のアレルギーなど離乳食初期からでるものと、ピーナッツなどのように大きくなる途中で反応してくるものがあり、たぶん後から出てくるアレルギーなどは皮膚から入ることが原因の一部になっている可能性があるかもしれません。
赤ちゃんが直接口にするもの以外(家の人が食べた物のカスがチリとなって空中に漂っている場合は、口の周りのただれだけ注意しても十分ではないかもしれません。でも、個人的には赤ちゃんの口のまわりの皮疹にもう少し注意を払いたいと思います。ただれは完全に治すことが難しい場合も多いので、口の周りに傷があれば、ベビーオイルやワセリンで予防的に膜を張る(食べ物や空中に浮遊している食べ物の粉(塵)がしみこまないように)というようなことは必要かもしれません。

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