子どもが飲める抗ヒスタミン剤

先日、NTT東日本関東病院皮膚科部長の五十嵐先生の講演を聞きました。講演の中で小さい子どもに使える抗ヒスタミン剤をまとまた表を出しておられました。印刷したものをもらい忘れてしまったので、自分であたってみました。
この記事は2011年に書かれたものです。7歳未満のお子さんに適した抗ヒスタミン剤については記事を書き直しました。こちら(2014年4月26日の記事)です。
関連記事:
妊娠中にステロイド外用剤を塗ってもだいじょうぶか?
授乳中でも飲めるお薬(皮膚科関連)
himawari2011
今年初めて育てたひまわり もちろん食用(種)です


最近の眠くなりにくい抗ヒスタミン剤についてのみまとめてみます。
まず、授乳中のお母さんが飲んでよいと国立成育医療研究センターのHPにでている抗ヒスタミン剤はアレグラとクラリチンです。
・アレグラ(錠剤しかない):7歳以上で内服可能(成人の半分量。能書では7歳未満に適応なし)。12歳以上で大人と同じ内服量。
・クラリチンドライシロップ:3歳以上で内服可能(成人の半分)。7歳以上で大人と同じ内服量。
他の抗ヒスタミン剤では、
・アレロック(錠剤しかない):7歳以上の小児で内服可能(成人の半分量。能書では7歳未満に適応なし)。小児は半分量。何歳から成人量を飲ませるかは能書に書いてない。
・ジルテックドライシロップ:2歳以上7歳未満で成人1日量の半分を2回に分けて内服(2.5mgを1日2回)。7歳以上15歳未満で成人量と同じ量を2回に分けて内服(5mgを1日2回)。ちなみに成人は10mgを1日1回。年齢によって1日の内服回数が違うので注意が必要です。
・ザイザル(錠剤のみ):7歳以上15歳未満で成人量と同じ量を2回に分けて内服(2.5mgを1日2回)。成人は5mgを1日1回。これも年齢によって1日の内服回数が違うので注意が必要です。
・アレジオンドライシロップ:3歳以上7歳未満で成人量の半分。7歳以上で成人量。
タリオンとエバステルには小児の適応が書いてありません。
・・・2歳以下の子どもにはどうするのか?
上記には2歳以下の適応がありません。2歳以下に適応があるのは以下のお薬です。
・ザジテンドライシロップ:生後6ヶ月以上(3歳未満まで0・8mg)で内服可
・ニポラジン細粒:1歳以上(2歳まで成人の1/5量)で内服可
・タベジールも1歳以上で使用できることになってますが、てんかんなどの痙攣を起こしやすい方には使えません。赤ちゃんは起こりやすいかどうかわかりませんので、使いづらいですね(なお厚生等同省から注意喚起がでています。こちら)。ザジテンの能書にも同じ説明があります。
・さらにアタラックスP:これは能書に年齢のしばりが書いてない。小児に対する安全性の有無も書いてない。珍しい薬剤です。
うーん。2歳以下の子どもに使える抗ヒスタミン剤は古いものばかりです(昔に認可された薬剤です)。成人ではあまり使わないものが占めています。安全性からいうとニポラジンということになります。20年以上前にはよく処方しましたが、個人的な印象では効きは悪いです。第1に処方する薬ではなく、中心になる薬に抱き合わせで出すことが多いと思います(あくまでも個人的な印象です)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上へ