ちょっとえらそうな題をつけてしまいました。
あたりまえですがCTやMRIは偉大です。これらがない時代に脳や内臓の病気を診ていたお医者さんは大変だったと思います。皮膚科でも手術の前後にお世話になります。
でも、皮膚や皮膚の下にできた腫瘍の局在(どの深さに、どの範囲で存在するのか?)を確認するうえで、触診(しょくしん:文字どおりよく触ってみること)はとても大切です。
かみさんアレンジ「庭の草花」
背中や胸、手足などの筋肉が下を走っているところでは、皮膚の表面から順に、
表皮(角質細胞があるところ)0.1から0.5mmぐらいの厚さ
真皮(線維(コラーゲン)の密集した中に、毛や汗腺や血管や神経が走っている)厚くて数mm
脂肪
筋肉の膜(筋肉は布団のように膜があります)
筋肉
筋肉の膜
(その下に筋肉があれば、筋肉の膜、筋肉、筋肉の膜)
骨の膜
骨
という感じになります。頭や手足の甲の部分は少し違ってます。また、上記の脂肪の中を筋肉の端の腱や腱膜が走っています。
今、皮膚の下にしこりがあったとします。上下左右に動かしたときによく動く場合は腫瘍の存在場所がわかります。脂肪の中です。皮膚をつまみあげた時に上がって来るのは表皮と真皮が一体化した部分です。ですから、シコリの上端が上の皮膚にくっついている場合は、少なくても腫瘍の上端は真皮の下端にくっついていいます。
腫瘍が下にくっついていて動きが悪い場合(下床と癒着:かしょうとゆちゃく)は少なくても筋肉の膜にくっついているか、さらにその下まで広がっている可能性が強くなります。
MRIがある今日、こんな診察に意味はあるのでしょうか?
あるんです(ないと記事になりません)。
皮膚の下に腫瘍がある場合はMRIを撮ります。筋膜の近くまで腫瘍がある場合は、MRIでは筋膜にくっついているのか、わずかだが離れているのか微妙でわからないことがあります。もし筋膜にくっついている悪性腫瘍であれば、その下の筋肉を取らなければいけません。もし触診で動きがよくて、下との癒着がなければ、腫瘍は筋膜の下で切除すればOKとなります。
触診は(私は)眼をつぶって腫瘍をつまんだり動かしたり、いろいろやります。なぜか片目のみを強くつむってしまいます。座頭市のようです。
全く記事と関係ないですが、昨日、ミョウガの初花が咲きました。昨年は9月11日でしたから12日ほど早いことになります。今年はやはり秋が早いのかもしれません。
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返事が遅くなりました。診察していないので、あくまでも参考程度に考えていただければと思います。痛みとかゆみの両方が、それも強く、かつ長い期間続いていて、皮膚に症状がないとすれば、末梢の感覚神経の問題と思います。皮膚科領域で思い当たるものはヘルペス(帯状疱疹)関連の神経障害などです。大学病院などの大きい病院にかかるか、皮膚症状がなければ神経内科、あまり考えにくいですが婦人科検診を受けていなければ一度受診する、などが思いつくところです。