両足の親指(正確には親趾)や2番目の趾の爪の下に出血を繰り返す、爪の根元の皮膚も赤く腫れている。こんな症状で受診される方がときどきいます。足の趾の中で一番長い趾に起きているいることが多いようです。1番目か2番目の趾です。爪下に出血を起こしている趾は指の先端の皮膚が硬くタコになっていることもあります。
登山をする方はすぐわかると思います。靴が合っていないか、履き方に問題があるかもしれません。
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外反母趾とタコと靴
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足のトラブルで受診される患者さんがけっこういます。巻爪、陥入爪、タコ、ウオノメ、外反母趾、爪下出血、爪基部の炎症、などなど。それぞれに対応した処置をしますが、靴の選び方と履き方をちょっと変えるだけで再発しにくくなる疾患が多いような気がします。
「靴が合ってないと思いますよ」と言うと、たいてい
「足に負担にならないように、大き目の靴を選んでいるんですけど」という答えが返ってきます。大き目の靴を選ぶように指導された、という患者さんもいます。足のトラブルの多くは大きすぎる(幅広すぎる)靴によるのではないかと思っています。
大きい靴は、靴の中で足が動くので歩行時に趾でかくような動作をしないといけなくなります。指が曲がってきます。指先が靴に当たることも多くなります。
踵から足の真ん中あたりまではコックピットのように靴にぴったりと包まれていなければいけません。横方向から抑えられるような圧力を感じないといけません。さらに紐やマジックテープできちんと止めててやれば、足は靴に固定され、横のアーチもできます。患者さんの片方の靴をきちんと履かせてから、立ち上がって足踏みをしてもらっています。きちんと履いた方の足が軽く感じます。足のアーチがきちんとあって、ばねのある足ならどんな靴を履いてもよいのかもしれませんが、足の皮膚や爪にトラブルがある方は靴の選択と履き方に注意したほうが良いと思います。
個人的な印象ですが、草履や下駄の方が合わない靴をゆるゆるの状態で履くより足にやさしいのではないかと思います。趾で挟むのが良いのかもしれません。ビーチサンダルで仕事に行けませんが。
さて、急な斜面を下山する前には、靴紐をきちんと締めます。足首を固定するためです。ゆるゆるのままですと、足首が不安定になるため、くじいたり、下山時に足の趾が靴先に当たって傷めたり、爪下出血を起こしたりするからです。