ソバカスは医学用語で雀卵斑(じゃくらんはん)といいます。私がすぐに思い浮かべるのは「赤毛のアン」です。赤毛にそばかす、緑がかった瞳の女の子のお話しです。皮膚科的には白人で赤毛の方は、白人の中でも紫外線でメラノーマが最もできやすい皮膚のタイプです。顔に小さい黒い点々がたくさんあると「ソバカス」と呼びますが、日本人には本当のソバカスは少ないのではないかと言われています。
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レーザーの専門家の帝京大学皮膚科の渡辺普一先生の講演を先日聞きました。
参考文献は以下です。茶色や黒や青のシミはどのように診断してどんな治療があるのかについて書かれた論文です。一般の方にもおすすめです。
後天性色素斑の診断と治療
日本人には本当のソバカスは少ないそうです。
渡辺先生たちの調査では、「ソバカス」と言われている方の1/3は(ぱらぱら型の後天性、成人以後に目立ってくる)太田母斑で、残りは老人性色素斑(言葉が悪いです。日光黒子ともいいますが。紫外線でできる皮膚のイボの初期の状態です。)や色素性母斑(ほくろ)だったそうです。一般に方にがピンとかないかもしれませんが、これら太田母斑、老人性色素斑、色素性母斑の治療は少し異なります。
太田母斑はメラニンを標的にするレーザーがよく効きます(Qスイッチルビーなど)。老人性色素斑は表面的な上皮の肥厚とメラニンの増加なので、レーザーでも液体窒素などによる凍結でも効きます。色素性母斑は根っこがあるので小さければ焼き切れるかもしれませんが、黒いほくろは切り抜かないと色が再度出てきてしまうことがあります。
太田母斑は生まれたときは気がつかないか、あるいは眼や頬に少し青いシミがあり、成長とともに色が濃くなってくるアザとして知られています。ただ、大人になってから両頬に小さい黒や茶、青みがかった灰色の点が出てきたり、目の下にクマのようにシミが出たりするタイプがあります。肝斑と間違えられている場合もあるそうです。
「シミ」として見えるものにはたくさんの病名があるということです。