口唇(こうしん、くちびる、クチビル)がカサカサ乾燥している。細かい縦割れがおきて口を大きく開けられない。割れて血が出る。以前も取り上げたことがあるお題ですが、数年前の記事ですので書き直してみます。特に今の時期は花粉症によるはなづまりや濡れているマスクで唇が荒れることがあります。
関連記事:唇が荒れた!!
フキ味噌焼きおにぎり
草が生えてきました テントウムシが結構たくさん出現しました
先週のお彼岸の空 秋のように晴れました
口の中も皮膚も扁平上皮という細胞でできています。ただし口の中の皮膚(粘膜)はいつも濡れている環境で、外の皮膚は乾燥した環境下にあります。粘膜は水には強いが乾燥に弱い、外の皮膚は乾燥には強いが水に弱い、という特徴があります。唇の赤いところはこれらの間に存在するので、とても微妙な環境にあります。本来は皮膚と同じで、乾燥には強いが、水に弱いという性格です。
さて、唇がカサカサ荒れる原因は大きく分けて以下だと思います(いつものように個人的な見解が多々含まれます)。
1.唇がいつも濡れている:上で説明したように水にいつも触れているとふやけて、皮膚にもともとあった保湿成分が抜けてしまいます。手荒れと一緒です。原因としては、「舌でなめる」「水で湿ったマスク」などです。唇が乾燥する・・・なめる・・・さらに乾燥する、という悪循環に入ります。ワセリンを塗っておくとよいとおもいます。
2.唇にいつも風があたっている(口で呼吸をしている):鼻が詰まって呼吸ができず、口だけで呼吸をしていると唇は乾燥してきます。原因は鼻がつまる病気です。アトピーや喘息があるお子さんで唇が荒れている方の多くに鼻づまり(アレルギー性鼻炎)があると思います。鼻づまりは(鼻閉は喘息の原因にもなるといわれています)。また、今の時期は花粉症で鼻がつまるため、唇が荒れ、口の中が乾燥し、喉や気道までが荒れた症状が出ます。耳鼻科に行きましょう。
3.かぶれている:リップクリームなど、唇に塗るものでかぶれている方がいます。すべて中止して、ワセリンに変更します。
4.唇の皮膚の表面を削り取っている:唇の表面は普通の皮膚より角層が薄く、少しこするだけで剥げてしまいます。角層がとれると水がどんどん蒸発してしまいます。また角層はバリアですので、新しい化粧品成分や食品の汁などがしみ込むようになります。原因のほとんどすべてが化粧落とし(口紅などの除去)と洗顔です。
まとめると、鼻がつまっていないのに(口呼吸をしていないのに)唇が荒れているかたは、今つけているものと落とすために使用しているものをいったんすべて中止してみるということを試してみるとよいと思います。つけるのはワセリンのみにします。ワセリンは薬局に売っています。できれば、「プロペト」や「サンホワイト」(ともに商品名)がお勧めです。純度が高く、伸びがよいのでつけやすいです。