日本皮膚悪性腫瘍学会で徳永 進先生(野の花診療所)のお話を聞きました。「心は皮膚にある」は先生の講演のタイトルです。診療所で在宅で看取りを行っている有名な先生です。心に残ったことを書きとめておきます。
高校の同級生からもらったカボチャの種から芽が出た 小さいのはパクチー
ブルーベリー収穫 けっこう大きい
越冬パッションフルーツも結実
1)「モルヒネ孫」
おばあさんが寝ている足元にお孫さんでしょうか。赤ちゃんが寝ている写真が出ました。お孫さんに触れている間は苦しい症状が和らぐのだそうです。
2)「触れあうことの大切さ」
命を終えようとしているとき、最後に残る感覚は聴覚だと言われています。ですから患者さんご本人に意識がない(ように見える)ときでも話かけることは、とても大切だとご家族に話します。徳永先生は、最後に残る感覚は触覚ではないかとおっしゃってました。だから最後は(最後に限らず)さすってあげる、手をにぎってあげる、そして亡くなったあとは家族みんなで体を拭いてあげる、みんなでかついで運んであげる、ことが大切だと。また、ゴム手袋を介してではなく、素手で接しないと肌と肌が触れ合わない(皮膚(感情)の呼応がない)とおっしゃっていました。
感染対策のために医療用の薄いゴムやプラスチックグローブをはめて処置をすることが多くなりました。もちろん患者さんの体から何らかの液体(血液や傷からの浸出液など)が出ていて、それに触れる可能性がある場合は感染対策上手袋が必要です。でも状況が許すせば、やはり素手がいいのです。グローブの使用が推奨され始めたころ、必要以上にいつも手袋をして診療することは問題だと皮膚科の先輩の先生も言っていたことを覚えています。その先生も素手で触れる大切さを強調していました。そういえば、以前、ある会で「どういう状況まで素手で処置を行うか?」といったことが話題になったことがありました。リンパ節の触診などは素手でやるべきだというような意見も出ました。話題も最後に、尊敬するある先生が「素手で診察した後、患者さんの前では手を洗わないようにしている」と言いました。さすがだと思いました。