昨夕韓国の大邱(テグ)に入りました。昨年、ソウルで講演した時に、大邱の大学の先生が面白がってくれて呼んでくれました。朝10時から18時まで、講演と症例検討会で非常に活発な討論が行われました。皮膚科医と病理医が参加し、とても穏やかでフレンドリーな質疑が続きました。厳しい意見の応酬を柔らかく、フレンドリーに行うことは簡単ではありません。見習いたいと思いました。レジデント達ともいろいろ話しました。雰囲気は日本のレジデントと全く同じです。彼らが立派な皮膚科医に育ち、日本の若い世代と協力していけたらよいと思いました。打ち上げでは、韓国風?の結構激しい乾杯が続きましたが、なんとか生還しました。
朝の散歩は市場へ
今まで見た中で最大の市場でした
月: 2014年9月
秋
庭のミョウガが先週から枯れ始めました。例年より1か月ぐらい早い感じがします。今朝も結構肌寒い感じがしました。
この時期になると、通院されている強皮症などの血行が悪い患者さんには寒さ対策をそろそろ始めましょうか、と確認します。
以前何度も記事にしましたが、寒いと手の指がなんとなく腫れぼったい、指をぴんと伸ばすと指が白くなる、甘皮(爪の上皮)が長い、甘皮に黒い点々(赤い点々、出血です)がある。というような症状がある方は、強皮症などの膠原病の可能性がありあます。手にしか症状がなく、何年も前からあって、あまり変化しない(良くも悪くもならない)方も多いと思いますが、一度皮膚科にかかることをお勧めします。
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ブラウントラウト
旬のイチジクを生ハムといただきます
ロキソニンとデング熱
商標名ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)はとてもよく使われる鎮痛剤です。効きが良いので私も時々飲みます。日本で鎮痛剤の売り上げに占める割合も高いと思います。
今朝のニュースで、デング熱にロキソニンを使うとデング熱による出血傾向が増強するので注意が必要であるとのコメントが出ていました。UpToDateといういつも参照するWeb版英語教科書で確認してみました。
関連記事: The hot never bothered me anywayとデング熱
キノコを探して近所の里山へ いきなり軍手にひっついた種
ちょっと遅かったけどイグチが結構取れました
Sep15,2014の夕方 なかなか見られないみごとな夕焼けでした
メラノサイトのお母さんはどこに隠れているのか?
メラノサイトは色素細胞のことで、メラニンを作っています。紫外線に当たると皮膚の細胞が痛むのでメラニンをメラノサイトからもらって自分の細胞の核の上に置きます。日傘になります。皮膚の表面は表皮細胞が石垣のように積み重なって数㎜程の厚みを作っています。外(死の世界)と内(生の世界)を隔てる役目をしています。この表皮細胞の層の一番下層の細胞(基底細胞)が分化して上方に移動しながら表皮を作りますが、この基底細胞の間にメラノサイトがポツン、ポツンと存在しています。これから表皮を作らなければならない表皮(基底)細胞を紫外線から守るためのメラニンを供給するためです。
さて、ヤケドなどで表皮全層が死んでしまうことがあります。でもあまり深くまで痛んでいなければ皮膚は再生します。どこから再生するかというと、毛から表皮細胞が広がってきます。毛は成長の時期は深くまで伸びますが、お休みの時期は浅いところまで毛根が上がってきます。この一番毛根が上がってくる部位より少し浅いところに毛を立たせる筋肉がついている部分があります。ここに表皮細胞の母(幹細胞、ステムセル)がいます。実はメラノサイトの母もこの部位にいます。
前線(表皮)に母がいると、いったん事あれば一族郎党が全滅してしまう危険があるので、ちょっと深いところに隠れているのかもしれません。
しかし、体の中にはもともと毛がない部位があります。手の平(手掌:しゅしょう)や足の裏(足底)です。手の平や足底はもともと色は薄いですが、メラノサイトはいます。毛のないこのような部位ではメラノサイトの母はどこに隠れればよいのでしょうか?表皮から深い部位にトンネルのように伸びる組織は毛の他にもう一つあります。エックリン汗腺です。エックリン汗腺は表皮から導管が伸びて皮下脂肪が表れる位置で汗を分泌する部位(分泌部)で終わります。分泌部の周囲にの血管から水分とともにいろいろな老廃物をもらって汗として表皮表面に送り出します。汗はおしっこのようなものであり、汗腺は腎臓に似ているかもしれません。
手足のメラノサイトの隠れ場所は?
話が長くなりました。
そうですエックリン汗腺の分泌部じゃないか?というのがこの論文です。
A melanocyte-melanoma precursor niche in sweat glands of volar skin
エピガスランタンの上で香木を焚いてみました。火力の調節ができてけっこういいかも。