今年の大ヒット「Let it go」が終わり、紅白歌合戦も中盤にさしかかりました。今年を簡単に振り返ります。
今年は鮭2匹を燻製に。
月: 2014年12月
メラノーマの新しい薬が承認された
昨日、メラノーマ(悪性黒色腫)の新しいお薬ゼルボラフが承認されました。飲み薬です。BRAF遺伝子に変異がある方のみが対象となるお薬で、使える患者さんは日本人では全体の1/3ぐらいになります。今年は先に承認されたオプジーボに加えて2剤の新薬が日本で使えるようになりました。ともに約30年(これは私が医師としてこれまで働いてきた期間になります)ぶりの新薬になります。
水虫 トレンドの移り変わり
先日日本皮膚科学会雑誌の今年の皮膚科学会総会特集号が届きました。分厚い雑誌ですが、個人的には1年間に出る書籍や雑誌類の中で最も優先的に目を通す書籍です。皮膚科の進歩が確認でき、自分の知らないことがたくさん詰まっているからです。ブログ記事のネタ探しにも使います。
今回はこの書籍から、水虫についての最近のトレンドについて(金沢医大皮膚科、望月隆教授)
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来年用バジル発芽
メラノーマの弱点がみえた?病原体とメラノーマの遺伝子変異
がん細胞が正常な細胞と異なる点の1つは、やたらめったら遺伝子が変異してしまうことです。がん細胞は自分が増殖できるように効率よく変化しているわけではなく(たぶん)、やたらめったら変異している中でものすごく増殖に適した細胞がたまたま生まれ、他のおだやかな(?)がん細胞を駆逐しながら増えていくのだと思います。
がん細胞の変異はランダムに起きます。DNAは設計図ですが、ごく一部分しか実際の生存に必要なタンパクに翻訳されません。生存に必須なタンパクの設計図部位に重度の変異が起きれば、がん細胞といえども生存できなくなります。
体にはたくさんの種類のがんができますが、遺伝子の変異部位が最も多いのが、メラノーマで、二番手が肺がんです。変異が多いほど悪性度が高そうな感じがしますが、2011年に認可されたメラノーマの新薬ipilimumab(免疫を上げるお薬)がよく効く方のメラノーマは効かない方より遺伝子変異が多いことがわかりました。この薬はがん細胞を攻撃する免疫を強くする薬です。免疫はがん細胞の表面の目印を認識して攻撃します。この目印はがん細胞を食べた細胞からごく短いタンパク質(ペプチド)としてリンパ球に情報が伝わり、リンパ球はこの目印をもつ細胞(がん細胞)を攻撃します。
参考文献
Genetic Basis for Clinical Response to CTLA-4 Blockade in Melanoma
ルッコラ、コリアンダー、遅まきの野沢菜に雪
指に丸くて赤くて痛がゆい皮疹ができた
手の指や足の指(趾)に1-2cm大の丸い赤紫の皮疹ができて、かゆい、いたがゆい・・・しもやけです。
関節と関係なく出る、指先に限らず指の途中に出る、爪のまわりや指の先は問題ない・・・というのが動脈硬化などによる血行不良とは違うポイントです。
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今週末は鹿児島 桜島も冠雪してました
空から宇宙へ 青色が変わります
故郷は真っ白になってました 今年の県外出張はこれでおしまいです