久ぶりに書評です。本は読み流すことが多いのですが、年に1-2度たくさんの附箋を張りたくなる本に出合います。
もちろん感銘を受けた本のみに起こす行動ですが、あとで自分の仕事関係で引用したいという業務的(せこい)な理由もあります。
ジェローム・グループマン(美沢恵子訳)の「医者は現場でどう考えるか」 原題How Doctors Thinkです。
一般書ですが、医師が誤診をしてしまう理由と患者側の予防法を実例を挙げて解説したりっぱな実用書(医学書)です。
ほとんどが医師側の要因ですが、正しい診断に持っていくためには患者さんの協力も必要であることが述べられています。
著者が本書を書いた動機は「自分で考えることを放棄し、判定システムやアルゴリズムに、自分に代わって考えてもらおうとする若い医師たちが実に多くなった」(あとがきより)からだそうです。