2‐5㎜ぐらいで、サイズのそろった少し盛り上がった皮疹が体のあちこちにポツン、ポツンとでき始めた。
すごくかゆい。毎日新しいものができる。体調は問題なし。家族には同じ症状の者はいない。
この2‐3日は雨がちですが温かいです。9月のシルバーウイーク以後、ばたばたしていたら、眼の前に12月が来てました。
行く秋や塀にすがりしツタモミジ (子規まね)
体にかゆい皮疹がポツンポツンと出る疾患はたくさんありますが、最初に思い浮かべるのはダニです。見逃してはいけないのは水痘(みずぼうそう)のでき始めや、ごくごくまれに水疱性類天疱瘡(高齢者)、HIV感染や梅毒の皮疹です。
ダニには皮膚に寄生するダニ(疥癬)と寄生はしないけれど家の中やペットに寄生しているダニに刺される場合があります。
指の間がカサカサしていたり、家族にデイサービスを受けているお年寄りがいたり、陰嚢にも皮疹があるときには疥癬を疑います。
初診時に必ず聞くのはペットの有無です。かわいがっているペットを疑うのは申し訳ないのですが、特に病気や高齢で弱っている猫や犬にはダニが良くつきます。毛が抜けている部分がある、そこに厚いフケがある、カサブタがある、引っ掻き傷がある場合はダニがいる可能性があります。
皮膚科を受診される患者さんで最も多い病気は「湿疹しっしん」です。湿疹は病名です。皮膚に何かブツブツがある場合は「皮疹ひしん」とか「発疹ほっしん」と言います。一般の方は「湿疹ができた」と言って受診されますが、本当は「皮疹」ができたのです。皮疹の中に湿疹やさまざまな病気があるのです。でも皮疹で受診される患者さんの病名の7割ぐらいは湿疹ですから、確率的には患者さん自身の診断はけっこう当たることになります。
湿疹の大切な条件は「かゆみ」です。かゆみのない湿疹はありません。「かゆみはありますか?」と聞いて「かゆみは全くないです」と患者さんが答えた時には、私は腕まくりをするわけです。湿疹以外のあまたに存在する病名から患者さんの症状にあてはまるものを探し始めるわけです。なお、逆にかゆいからすべて湿疹とは限りません。
体にブツブツができてきたが、全くかゆくない・・・これは皮膚科できちんとみてもらう必要があります。