以前このブログで触れたカメムシの記事を論文にしてみました(年末の休みに書いたのです)
Orange pigmentation spots on the sole may be from a stink bug
足の裏にオレンジ色の点々ができた患者さんがいて、原因がわからず何年かもやもやしていました。偶然読んだ医学雑誌にそれがカメムシを踏んだことによる色素沈着であることが出ていて、長年?の胸のつかえがとれてすっきりしたという記事です。足の裏にオレンジ色のシミが突然できた
このブログでは初めてのリバイバル写真です(元記事はこっち)。うちの庭のコリアンダーに来たカメムシです。Wikiではカメムシはコリアンダーの匂いがする、と書いてありました。緑のカメムシは美しいです。でも足に色を付ける(本人は踏まれるので本望ではないと思いますが)クサギカメムシは灰色で地味です。
これを発見したのは泉谷先生です。論文は<a href=”http://medicalfinder.jp/doi/abs/10.11477/mf.1412200004?journalCode=1412″ target=”_blank” title=”こっち”>こっち</a> 先生の論文はとても面白いです。
患者さんは春と秋しかいない・・・屋内で越冬するため出入りする時期に遭遇する
足の裏に何か所もシミができるのは?・・・原因になるクサギカメムシは柔らかいので踏んでもわからない・・・何度も踏んじゃう?
アルコールでふいても色が取れない・・・臭い匂いのもとはアルデヒド・・・他の皮膚に付けば水ぶくれになるほどの化学物質です。足の裏の皮は熱いので色が付くぐらいで済む
2週後に自然に色は取れる・・・皮膚の角層の一番深いところ(と言っても0.何㎜の世界)が落ちるまでの期間
ときどき参照するサイト(<a href=”http://aasj.jp/news/watch/3820″ target=”_blank” title=”AASJ”>AASJ</a>)にCurrent BiologyというTop Journalに出たカメムシの記事が紹介されていました。
あるカメムシは産卵するときにその場所の明るさによって卵の色を変える(色素含有量を変化させる)ことができるのだそうです。メカニズムはわからないそうですが、「母親の視覚情報」が「卵の色を変える」ということの間に何が起きているのでしょうか?