今年は7月中旬に蜂に刺された方がけっこう来ました。私が診る患者さんのパターンは主に2種類あります(私は自然の濃いところの病院で患者さんをみますので、地域によって状況はかなり違うと思います。為念)。刺されて腫れるけれど命に関わることはない場合とショックなどを起こして救急部に運ばれ、元気になってから今後の対応について皮膚科を紹介されてくる場合です。蜂に刺された時の対応のポイントをまとめておきます。
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1.刺されてすぐに外来に来る方:多くは刺された部分のみの痛みと赤みと腫れのみで、他に症状はありません。だいたい刺されてから30-60分ほど経っています。この時点で特に具合が悪くなければほとんどがそれ以上の問題を起こすことはありません。たくさん刺された場合は少しボーとすることはあります。刺されて1時間が一番危険な時間帯です。
・・・ポイント
1-2か所刺された場合で、①過去に刺されたことがない、あるいは刺されたことはあるが刺された部位や全身に「かゆい皮膚炎」が出たことがない、+②刺されたところは腫れているが痛みのみでかゆみがない、咳や息苦しさ、鼻づまり、涙、鼻水、腹痛、下痢、などはない・・・場合は急いで病院に来る必要はないと思います。ほとんどがこのパターンです。
ただし、刺された部位が「かゆくなってきた」場合は、次回刺された時にショックなどの重いアレルギー症状が出る可能性があります。血液検査で蜂に過敏になってしまったかどうかを調べてもらったほうが良いと思います。ただし刺されてから2-3週経たないと検査をしてもわかりません。関連記事「蜂のアレルギー検査はいつしたらよいのか?」
また、刺されてか1-2週間後にじんましんが全身に出ることがあります。この時も血液検査で蜂アレルギーがないか調べてもらってください。
2.刺された後に、全身にかゆい皮疹が出てきた、咳や息苦しさ、鼻づまり、涙、鼻水、腹痛、下痢(トイレに行きたくなった・・・血圧が下がりかけています。危険です)、目の前が暗くなってきた(ショック状態です)、場合は救急車を呼びます。最寄りの病院から遠い場合はヘリが飛ぶ場合もあります。自分で車を運転し、途中でショックになり、電柱などにぶつかって交通事故によるケガで救急部に運ばれることもあります。
3.過去に蜂に刺された時にかゆい皮疹が出たり、皮疹が2週間以上続いたとき、あるいは一旦治ったのに数日後に刺されたところが再度腫れてきたことがある場合、は一度皮膚科で検査を受け、必要あればエピペンを持ったほうが良いと思います。
蜂アレルギーになってしまったかどうかの1つのポイントは皮膚症状に「かゆみ」があることだと思います。
蜂刺されは、私の住む地域ではお盆明けから残暑が続く期間です。今年、7月に患者さんが多かったのは暑かったせいかもしれませんが、よくわかりません。なんとなく季節感が崩れているような気がします(気のせいかもしれません)。