4-5歳までの子供の手の平や足の裏に赤い小さいブツブツができて、白い水ぶくれになる。水疱が3-4㎜程度に育つ?と(特に手の平では)皮膚の(指紋の)しわの方向に長軸を合わせた楕円形になる。口の中にも同じようなブツブツと水ぶくれができている。自分の口で症状を話せる場合はピリピリと痛む、などという。子供は元気で特に問題なく治ってしまう。・・・これが“よくある”手足口病(エンテロウイルス71、コクサッキーウイルスA16)でした。
でも、2010年頃から、高い熱が出てから1-2日後に体や腕や脚などの広い範囲(全身)にもブツブツガ出る、水ぶくれが大きい(1㎝ぐらいになる)、喉の奥の方までぶつぶつができるので喉の痛みが強い、治ってから1-2ヶ月後に爪に横線が入る、などの激しい症状を示すタイプ(コクサッキーA6型)が流行るようになりました。今年も患者さんが多数出ています。
2017年8月17日(昨日)、国立感染症研究所のHPに最新の動向がUPされましたので、最新データをにらんでみました。
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・まず、2011年からは圧倒的にコクサッキーウイルスA6が他のタイプを駆逐しているのがわかります。
・ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルス感染(ウイルスのタイプが手足口病と異なっていました)が大人に起きると口内炎や喉の症状がメインになります)は、2010年からコクサッキーのA4とA6が毎年交互に流行っているのに対し、手足口病ではこの3年間はずっとA6が割合のトップを占めています。(もちろん他のタイプもあります)。つまり、数年前から手足口病の方が粘膜症状の強い大人型(A6)がメインになってきたということかもしれません。
2010:エンテロ71、
2011:コクサッキーA6
2012:コクサッキーA16
2013:コクサッキーA6
2014:コクサッキーA16
2015:コクサッキーA6
2016:コクサッキーA6
2017:コクサッキーA6
・地域・・・A6が流行した2011、2013、2015年、今年2017年(隔年で流行っています)は東北から北海道を含めた全国で患者さんの発生があります。エンテロ71は西日本に多かった印象があります。
・個人的な印象:この数年間と今後の手足口病はA6型が多く(来年の患者数は少し減るかもしれないが)、したがってこれからの手足口病は重症型(全身型)が少なくない(めずらしいタイプではなくなる)・・・あくまでの個人の印象です(公的な見解ではもちろんありません。為念)
ウイルスのタイプごとの症状の違いについては、小児科の先生のブログ「笑顔が好き。」の説明がとてもわかりやすいです。