指の皮膚が割れて痛む・・・ポリウレタンフィルムがおすすめ

癌に対する新しいお薬がたくさん出ていますが、特に飲み薬の分子標的薬(細胞が増えるための指令(信号)を受ける受容体(スイッチみたいなもの)にくっついて信号を受けられなくしてしまうお薬)の中にはニキビや爪の周りの炎症や手指のひび割れを起こすお薬があります。(以下すべて商品名)、抗EGFRモノクローナル抗体薬のアービタックス、ベクティビックス)、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬のイレッサ、タルセバ、ジオトリフ、タグリッソ、タイケルブ、スーテント、パージェタ、マイロターグ® などです。

指先や指の関節のところの皮膚が避けるととても痛いです。そこに普通の絆創膏を貼る方が結構いますが、かえってふやけて、そのあと皮膚がただれ、さらに皮膚の割れ(亀裂)がひどくなります。(皮膚がふやけた状態は、皮膚から伸びちぢみする成分が抜けてしまったような状態になるので、その後乾燥すると皮膚が乾燥して割れます)。分子標的薬以外にも日常の炊事や水を良く扱う方の指の皮膚は割れやすくなります。いわゆるアカギレです。

おすすめは、ポリウレタンフィルムです。「防水フィルム」という名前で売っています。非常に薄いフィルムで、うれしいことにあまり蒸れません(皮膚がふやけません)。ただし水がしみだしてくるような傷にはむきません。薄い膜なので張り付けている感じもほとんどなく、快適です。ただ激しい作業をする場合は剥げてしまうことが多いです。

ドラッグストアで300円から500円、百均では110円で買えます(箱の裏にとても小さい字でポリウレタンフィルム、と書いてあります)。ロールタイプは数10㎝から2m程度あり、コスパがいいです。このフィルム材は3層からなっています。まず接着面の紙をはいで皮膚に張り、次に一番表面のフィルムをはがします。つまり中央にある1枚のフィルムが皮膚に残ります。この表面の1枚をはぎ取るのにちょっと苦労します(薄いからです)。その場合はロールタイプではなく、絆創膏タイプのものを買うと楽です(コスパは下がりますが)。

*ところが、最近(昨年秋ごろ~?)このポリウレタンフィルムが私が良く行く大手ドラッグストアや100円均一のお店に見当たらなくなりました。防水フィルム、と銘打っていても材質が箱に表記されていなかったり、塩化ビニールなどの他の素材にであったりします。ネットには出ているのでそのお店の仕入れの好みかもしれませんが。

数年間指の皮膚がただれて治らない患者さんが時々きますが、絆創膏だらけの皮膚はふやけてただれ、カンジダなどのカビまでついていることがあります(蒸れているのでカビにはよい環境です)。私、個人的には”絆創膏皮膚炎”と呼んでいます。絆創膏をやめて、ワセリンなどで表面を保護してやるだけでけっこう治ります。もちろん赤みやかゆみがあれば1週間ほどステロイド軟膏の外用が必要です。

ポリウレタンフィルムは軽い擦り傷にも有用です。私はいつも常備しています(とくに旅行に行くときは。皮膚の傷以外にもちょっとした補修などにも使えますので)。

関連記事

絆創膏皮膚炎(ばんそうこうによるひふえん)

かかとが割れて痛む

この冬は札幌も雪が少なかたのですが、やはり札幌らしい冬景色になりました。最後のあがき、春近し、と思いたい。今日は2月29日、4年に一度のうるう年ですね。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上へ