第52回日本皮膚免疫アレルギー学会(名古屋)より(2)シャンプー

2021年度に皮膚安全性症例情報ネット(SSCI-Net)に登録皮膚科医より寄せられたアレルギー性皮膚炎の原因の内訳

 

SSCI-Net(http://info.sscinet.or.jp/idea.html)は、HPによれば、その理念は・・・医学界と産業界の連携により、化粧品等による国民の皮膚健康被害を早期に発見し、これを最小化することを通じ、我が国をより安全で安心な国とすることを目的とする。・・・だそうです。身の回りで使用する製品は日々変化し、新しい製品が出現してきます。残念ながら発売前の安全性試験でチェックできなかった問題が起きることがあります(医者が処方する薬も同じです)。使用が開始された後の安全性のチェックはとても大切です。

 

松永佳世子先生ほか、から報告されました。さて、報告された製品の内訳(全319件)は、以下でした。(抄録掲載分)

 

化粧品・薬用化粧品 58.9%

医薬品 21.3%

家庭用品 14.7%

業務用品 3.1%

医療機器等 0.9%

 

最も多かった化粧品類の原因製品は、

シャンプーが46件、染毛剤21件、美容液18件でした。だいたい例年の傾向と同じでした(2021年のみ化粧品類が少し少なかった・・・(宇原の想像)コロナで自宅にいることが多かったため?)

 

シャンプーのかぶれの原因については含まれる様々な成分が候補になりますが、洗浄という役目の中心をになう界面活性剤が原因である場合もすくなくありません。今回の学会では低刺激性とうたわれる製品に使われていることがある界面活性剤によるかぶれの症例も報告されていました(岡山大学)。

 

地肌(髪の毛の中)のかゆみが取れなくて、受診される方は少なくありません。「シャンプーのかぶれって、かぶれの原因としては一番多いんだよね」とお話しすると、皆さん納得できないお顔をされます。これからも、このデータを見せて、対応を相談することにしましょう。

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