四角い(長方形の)皮膚炎

天文学を含めた物理現象や生物の世界で自然な形は球体でしょうか。皮膚科の世界も同様で、皮膚炎や腫瘍の多くは球(半球)や円などの丸い形をしています。水面に小石を落とした時に波紋が周囲に広がっていきますが、皮膚の炎症も同じように周りに広がっていきます。最初に小石が落ちるという原因の始まりが1回で、短時間に原因がなくなってしまえば、中心部の振れは落ち着いていきますが、広がる波紋の最も外側は大きく振れたままさらに外に向かっていきます(津波のような感じです)。この場合は外側が濃い赤で中心部が治っていくので皮膚炎は輪になります。

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輪(環状)になる皮膚炎

光アレルギーでしょうか?

前置きが長くなりました。したがって四角、三角のような幾何学的な形をした皮膚炎(発赤)を見たときに皮膚科医はまず外からの原因、特に、かぶれ(接触皮膚炎:せっしょくひふえん)を疑います。

四角い皮膚炎で一番多い原因は湿布(シップ)です。特に痛み止めの湿布薬+紫外線の両方によっておきる皮膚炎(光接触皮膚炎)は、昨年湿布を貼ったところに今年になって急に赤くなる(今年は湿布薬を使っていないのに・・・)ことがあります。光接触皮膚炎について、とても分かりやすい説明をしてくれている薬剤師さんのサイトを見つけました。”薬歴公開by ひのくにノ薬局薬剤師”です。やはり構造式が大切なんですね。

シシャモナイの滝

 

薬歴公開by ひのくにノ薬局薬剤師”でケトプロフェン(代表的な商品名:モーラス)やボルタレンが光かぶれを起こしやすく、ロキソプロフェン(代表的な商品名:ロキソニン)が起こしにくい機序が説明されています。ベンゼン環のような共役構造(二重結合と単結合の繰り返し)のペアの間にローンペア(非共有電子対:C=OやN、O、Sの原子中にある余っている電子の二つのペア)が挟まっていると光線過敏を起こしやすいと説明されています。詳しくは”薬歴公開by ひのくにノ薬局薬剤師”で。フェノフィブラート(商品名リピディル・トライコア錠)、フロセミド(商品名ラシックス)なども同じような構造を持つため光線過敏を起こしやすいことが予測できるとのことです(出典:週刊薬剤師日記)。

薬学部の方はこんな風に構造式をながめているんだということが改めてわかった。関心してしまった。

西(サイ)の河原、カムイミンタラ(神々が遊び戯れる庭)を通り過ぎて

途中の洞窟

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