尾てい骨のでっぱったところの周囲、あるいはそのちょっと下(肛門より)、お尻(臀部:でんぶ)の割れ目の一番上のあたり・・・・がカサカサして、皮がむけている。痛くもかゆくもないが、少し硬くなっている。硬いところの真中あたりが縦に割れて痛む。
こんな症状で受診される方が結構います。多くは高齢者です。
臀部慢性苔癬化皮膚(でんぶまんせいたいせんかひふ)とか臀部苔癬様角化(でんぶたいせんようかかく)などと呼ばれることがありますが、何のことはない、ようするにタコ(胼胝:べんち、たこ)です。
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年をとってくると、どうしても筋力が落ちて猫背になります。普段腰をかけたとき、きちんとした姿勢ですわれば体重は太ももとお尻(左右の肉厚のところ、左右にある骨のでっぱりは坐骨結節といいます)で支えられます。でも猫背になると体重を支える部分が後に移動し、尾てい骨の出っ張り部分(お尻の割れ目の一番上あたり)で体重を支えるようになります。
お尻の肉が減ってくることも関係しているのでしょう。特に冬場、こたつなどに入ると、よけい猫背になりやすくなって、尾てい骨周囲がカサカサする、硬くなる(タコになる)・・・ひび割れる・・・ということになります。
どうしたらよいか?
まず。クッションを使う。厚めの座布団でもいいと思います。背中にクッションを入れて姿勢が少し前になるようにしてもいいかもしれません。低反発マットレスもお勧めです。
あと、椅子の高さです。椅子は低めがお勧めです。足の裏がぺったり床につき、太ももの裏に体重を感じられれば体重は分散されてます。
カサカサにたいしては保湿剤(ヒルドイドソフトや市販のキュレル薬用クリームなど)。硬くなっていれば尿素軟膏(ケラチナミン軟膏、パスタロンソフト)です。でも硬くなっているのは体重を支えるための皮膚の防衛策ですから、特に日常困ったことがなければ硬いままで放置してかまいません。
硬くなりすぎて、パカッと割れてしまったら・・・・傷に張るテープ剤がお勧めです。
病院を受診されれば、ハイドロコロイド剤(デュオアクテイブETなど)やポリウレタンフィルム(テガダームなど)を張ります。同じものは薬局でも手に入ります。
ハイドロコロイド剤はキズパワーパッド(ジョンソンエンドジョンソン)です。ちょっと固めで、臀裂部ははげやすいかもしれません。
ポリウレタンフィルム(透湿性のある薄い透明な糊つきのフィルムです)は、薬局では、防水フィルムという名前で売っています。真中にパッドがついているものは、邪魔ですので買わないように。フィルムだけのものを買ってください。1枚数cm角のものが数枚入って300円から500円です。お得なのはロールタイプでニチバンなどが2mで数百円で売っています。通常の絆創膏タイプの小さいものも売っています。いちいち切らないで済むので便利かもしれません。注意点は、薬剤師さんに「何に使用しますか?」と聞かれた時に、「傷に直接張ります」と答えると、まじめな薬剤師さんだと売ってくれないことがあります。メーカーの説明は、滅菌していない製品は傷に直接張らないようにと書いてあるものがあるからです。でも、化膿している傷に張らないかぎり大丈夫です。傷の周囲が赤く張れていて、押すと痛みがあったり、膿がでているようなときは一度病院にかかってください。
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同じ症状の前期高齢者です。
お教えの通りにやってみます。
ネットを調べれば見つかるものですね。
感謝いたします。
さっそくフィルムを買わなくっちゃ
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ありがとうございます。フィルムで傷が白くふやけるようでしたら中止してください。