陰嚢の裏側がずっとかゆい。皮膚が固くごわごわになっている。
陰部は受診するのをためらう部位です。陰嚢(袋)の裏側が何年もかゆく、皮膚が固くごわごわになっている。薬をつけるとしばらくよいがすぐにもどってしまう。このような症状で受診される方は少なくありません。ほとんどすべて、こじらせた(長期間掻いていた)慢性の湿疹だと思います。
陰部のかゆい皮疹については、必ず白癬(ミズムシ、タムシ)を除外しないといけませんが、なぜか陰嚢はほとんど白癬になりません。
天気はほとんど曇り+小雨、時々晴れ、といった感じでした。雨はすぐ止むのであまり気になりません。晴れ間が出て、暖かくなると人がわっと町に出てきます。
周辺の大国に支配されてきたリトアニアの厳しい歴史を知りました。
陰嚢をかゆがる、引っ掻く、傷がつく、そのうちごわごわに固くなる。このような症状は、小学生までの男の子や中高年の男性に多い感じがします。子供の場合はアトピー性皮膚炎の一部の症状として現れることがあります。なぜかゆくなるのかよくわかりませんが、下着や尿などが刺激になっているのかもしれません。
数か月以上続くと皮膚がごわごわになってきます。苔癬化(たいせんか)といいます。皮膚を引っ掻くことを繰り返しているうちに皮膚が鍛えられ?、熱くなってきます。赤みやかゆみは減ってきますので、症状は最初より軽くなります。でも病気としては行き着くところまで行ってしまった(慢性化した)最終段階にあります。
このような患者さんが受診されたときは、まず真菌検査で白癬を除外します。まず陰性です。次にステロイド外用剤を処方します。2-3日塗れば症状は劇的によくなります。ただ、ここからが大切です。皮膚のゴワゴワがなくなって、正常な部位と同じようにやわらかくなるまで外用を続けます。2-3週は最低必要だと思います。陰嚢はステロイドの吸収のとてもよいところですので、止め時は専門医の指示で行ってください。
陰嚢にはなぜ白癬が付きにくいのか(陰嚢周囲、太ももの付け根はよく白癬になりますが)、よくわかりません。