今まで何度も記事にしたテーマですが、結構患者さんが多いのでもう一度まとめておきます。
手荒れなどで指先が乾燥して割れ始めた・・・痛いのでばんそうこう(特に塩化ビニル製:よくある茶色で穴がいっぱいあいているやつ)をはっている・・・白くふやける・・・どんどん割れ方がひどくなってきた・・・皮膚が白くふやけた後は、乾燥がひどくなります。割れてきます。(むれやすい)絆創膏によってふやけたことによる悪循環が起きていると思います。
絆創膏皮膚炎(ばんそうこうひふえん)という病名を勝手に考えてみました(もちろん世の中のどの書籍にも載っていないと思います。たぶん。)。
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今年も1か月が過ぎようとしています。このようなスピーチを時々聞くと自分に少しムチが入ります。
「思うは招く」Hope invites | Tsutomu Uematsu | TEDxSapporo
今の形の救急ばんそうこうはアール・E・ディクソン(後のジョンソンアンドジョンソンの副社長)が考案したものが始まりだそうです(日本衛生材料工業連合会HPより)。本来は商品名であるバンドエイド、カットバン、サビオ、という名前を普通名詞のように使うほどに普及しています。短期的に治るような傷に対して応急的にあるのは問題ないと思いますが、指先に巻いて、それで水仕事をするような場合はちょっと問題かもしれません。
特に普及している塩ビ製のものは通気性がないので(そのため小さい穴が開いている)、濡れない部位ではふやけることは少ないと思いますが、水に常時濡れるような部位(手)に使うと、特に絆創膏についているパッド(綿)が水を吸って、それにより皮膚面が常時ふやけている状態になります。白くふやけた皮膚はバリア(角層)がかなりの障害を受けていると思います。白くふやけた皮膚を乾燥させる(絆創膏を取る)と乾燥し、割れてきます。また、絆創膏に覆われたふやけた皮膚はばい菌のすみかになります。食中毒の原因になる可能性すらあります。絆創膏をはずしてちょっと臭い匂いがするようなら雑菌が増えていると思います。
さて、対処法です。以前も記事にしましたが、ポリウレタンフィルム(防水フィルム)製でパッドのついていないものがおすすめです。透明の薄い膜からなる被覆材で、防水性が高いが、蒸気は少し通すので蒸れません。ドラッグストアやホームセンターの絆創膏コーナーにあると思います。その絆創膏があっているかどうかは白くふやけないかどうかで判断できると思います。もちろんフィルムを張ったからといってじかにお湯や石鹸に触れているとふやけてしまうかもしれません。炊事用手袋も必須でしょう(できれば)。
話がそれます。
先日、TVで手毬のデザインの生麩の製造の現場を放送していました。生麩から色とりどりの細い紐状のものを作り、生麩本体に巻いていきます。お吸い物で時々みるあの生麩です。食品にこのような精緻なデザインを施すということは、やはり日本独特のクールさを示す例でしょうか。作っている職人さんの指が白くふやけていました(すいません。目にするポイントが普通の方とずれています)。あらためて大変な作業だと思いました。仕事を優先すれば手荒れはしかたない場合もありますね。京都で時間があると時々錦市場の真ん中あたりにある生麩屋に寄ります。饅頭がうまいです。