頭(髪の毛が生えているところ、被髪頭部ひはつとうぶ)がかゆい、ふけが多い、皮膚がごわごわしていて固く、感覚がにぶくなっている(触るとななにか膜で覆われているような)。中高年の男性。顔や首には皮疹はない。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)・・・いわゆるフケ症と診断されることが多いと思います。でも個人的には洗髪に用いるシャンプーや洗い方に原因があるのではないかと思っています。今回の記事は、ごくごく個人的な意見であり、特に公的に認められている意見ではありません(為念)。
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台風が去って急に暑くなりました。今年3回目の犀川。川の途中でカヤックを降り、浅瀬を少し散歩しました。蝉の声を今シーズン初めて聞きました。夏が来たね。
雨のあとは川がきれいになります。犀川本流にも美しいバイカモが。花も少しついていました。
まず脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)という病気について。頭皮や眉間、両頬,、腋や陰部がかさかさして、赤くなり、少しかゆい。ドイツ人のUnna先生が1887年に最初に報告した病気です(Unna’s disease)。その後、Unna先生が皮脂が多い場所に出やすいことからこんな病名になったようです(なんだかよくある症例報告の出だしみたいになってしまいました)。その後マラセチアという毛に普通にいるカビ(常在菌)が関係しているのではないかといといわれるようになりました。ニゾラール(商品名)という水虫の薬がよく効くことがわかり、保険も通っています。
ただ個人的には安易にこの病名を使いすぎてきた感じがします。
「頭(髪の毛が生えているところ、被髪頭部ひはつとうぶ)がかゆい、ふけが多い、皮膚がごわごわしていて固く、感覚がにぶくなっている(触るとななにか膜で覆われているような)。中高年の男性。顔や首には皮疹はない。」
という方のほとんどはブラシであるいは手の指でごしごし頭を洗っていることが多いと感じるようになりました。シャンプーの界面活性作用も頭皮の乾燥に悪い影響を与えている感じがします。先月も同じような症状でステロイド外用剤(頭ですのでローション)で何年も治らなかった方が続けて2人来られました。シャンプーを止めてもらい、頭皮をさわらないようにお湯洗い+今まで使っていたステロイドローションを継続していただいたところ(私を信用してくれたようです)、2週後にはきれいに治っていました(このようなたった2人だけの患者さんに対する経験で物事を決めつけてはいけませんが。)