皮膚科にかかる前に

このブログの2番目の記事で触れました。「皮膚科にかかる前に
皮膚科に行こうと思ったときに、ちょっと読んでもらえるとありがたい皮膚科受診前の準備についてです。
今使っている(あるいは過去に使った)塗り薬(ぬりぐすり)を持ってきてもらえるとありがたいのです。


皮膚科を受診する患者さんから私がお聞きしたい最低限の情報は以下です。
1.いつ症状に気づいたのか?
2.その症状は今日までの間にどのように変化したか?
  a 出てからほとんど変わらない
  b 出たりひっこんだりしている
  c どんどん悪くなっている
  d しばらくは少しずつ悪くなっていたが、ある日突然急激に悪くなった 
3.何か治療をしたか(使用した塗り薬や飲み薬の名前)
4.他の科にかかている病期はないか?
5.上記で処方されている薬は何か?現在飲んでいる健康食品や漢方薬はないか?

1と2を教えてもらうと、私の頭の中には縦軸Y(病気の程度)と横軸X(時間経過)からなるグラフが描かれます。例えば2のbですと、三角関数SINのような波状のグラフが、2のdですと対数関数のようなグラフができあがります。
3の治療歴を教えてもらうと、上のグラフ上のところどころに→で治療内容が書き込まれます。私の科にかかる前に行った治療を「前治療」といいます。前治療によって、現在の症状が見かけより良く見える場合と、前治療によってむしろ悪化している場合があるからです。時には最初の症状はとっくに治っているのに、治療による問題のみが継続していることがあります。医原病(いげんびょう)と言います。
4は、現在の皮膚の症状が内蔵の病気と関係ないか考える参考になります。
5は大切です。尊敬する北里大学名誉教授の西山先生は、「まず中毒を除外しろ」とおっしゃっています。中毒、水質汚染、薬物などによる障害です。これは診断するだけで初期であれば治せる可能性があります。中毒をきちんと除外しないと、免疫アレルギーなどの難しい病気の診断に移り、袋小路に入り込んでしまう危険性があるからです。水俣病などの公害による疾患が、最初は他の原因(アレルギーや遺伝疾患、感染症)によるとされた過去もあります。健康食品で筋肉の膜が炎症を起こして皮膚がパンパンに腫れた事件もアメリカで起きました。中国では水質の悪化から深い井戸が掘られていて、飲用水にヒ素が多く含まれている地域もあるようです。ヒ素は摂取から数十年して皮膚や内蔵に癌を発生させます。日本でも一見山の中のきれいな川でも、上流にどんな産業廃棄物が投棄されているかわかりません。また、前々回のブログ記事「きのこと皮膚病」のように、あらゆる食品が皮膚疾患の原因になります。ドクダミもビタミンBも日光紫外線によってアレルギーを起こすことがあります。
えらそうなことを書いてしまいました。後半の文章は、自分への注意のために書きました。

「皮膚科にかかる前に」への1件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    先に送ったコメントは届いているのでしょうか

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上へ