みずぼうそう(水痘:すいとう)は、ありふれた病気です。子供の時にかかれば比較的軽く済み、抗体もできるから、無理して予防接種なんかしなくてもイイや・・・なんて思っている人は多いと思います。
みずぼうそうの予防接種率は日本では30%程度です。10%程度しかない地域もあるようです。でも、やっぱり予防接種はしたほうがいいみたいですよ・・・
みずぼうそう(水痘:すいとう)のウイルスの感染力は非常に強くて、空気にただよって感染します。家族がみずぼうそうになれば、やったことのない人は90%の確率で感染すると思ってよい病気です。他の人に染さないようにするためには、陰圧(空気を外に吸い出す)の病室に入れなければなりません。そんな特殊な部屋は大きな病院にもそうありません。
みずぼうそうは重症化すると命を失う病気です。特に1歳以下と30歳以上で感染すると、重い症状を示すことが多いといわれています。
藤田保健大学の小児科の浅野教授の講演を聞きました。臨床的な要点は・・・
1.水痘ワクチンの摂取したヒトの92%のは水痘にならずに済む。残りの8%は水痘になっても軽く済む。
2.特に乳児(1歳以下)における有効性(重症化の予防など)が高い。
3.(水痘にかかったヒトの15%ぐらいに帯状疱疹が発生し、中にはひどい神経痛を残すヒトがいますが)、ワクチンによって水痘が予防できれば、帯状疱疹も発生しない。
4.水痘や帯状疱疹の治療薬として、非常に有効な抗ウイルス薬は存在するが、非常に高いため、ワクチン接種によって医療費を節約できる。もちろん重症化して入院する場合の医療費も節約できる。
5.なのに日本での接種率は30%ぐらいしかない。米国では、MMRに水痘ワクチンが加えられて、4種混合ワクチンを、2回接種するようになっている。接種率は90%近い。
水痘ワクチンは、世界中で使われ、多くの子供の命を救っています。そして、この世界中で使われているワクチンは全て日本(大阪大学微研)で作られたウイルス株が元になっています。良い仕事をしています。