季節ネタである日焼け止め(サンスクリーン剤)についてです。
サンスクリーン剤のラベルやウエブ上の製品説明をみるといろいろなことが書かれています。一般の方がきちんと理解できているのかちょっと不安になったのでまとめておきます。
チェックすべき順に項目を説明します。
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サンスクリーン剤2012
日焼け止めの選び方
今週末は築地。帰る前に西洋美術館のラファエロ展に寄りました。点数が多くないとのことで、あまり期待してませんでしたがよかったです。満足しました。
上野公園は新緑に包まれていました。良い季節です。
カテゴリー: よくある皮膚の病気
指が水でふやけるのは水中の物をつかみやすくなるから?
ちょっと前に少し話題になったニュースです。水に長く入っていると指がふやけます。Newcastle大学のTom Smulders先生は、乾いた状態とふやけた状態でどちらが水中の物をつかみやすいか?という実験をやりました。皮膚がふやけていた方が物をつかみやすいという結果が得と述べています。しかし、それなら効率性からいえば手指の皮膚はいつもふやけていたほうがいいんじゃないか?ということになりますが、彼らは、いつもふやけていると知覚が低下するなどの問題が起きるので、必要なときだけふやけるのかもしれない、と説明しています。突っ込みどころ満載の報告ですが、面白い点もあります。
出展はこちらです。
論文”Water-induced finger wrinkles improve handling of wet objects”
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野沢菜の花が咲いた 強力低気圧が去りました
花壇にも一気に花が
山椒に新芽
雨上がりのタンポポ
エピペンを打つタイミングは?
すっかり春になってしまいました。今夜大学の研究室を出ると校内は桜が満開でした。街灯に照らされて夜桜並木を抜けて帰ってきました。やはり桜はいいですね。強力な低気圧が近づいているようで、明日は散ってしまうのでしょうか。咲いて喜び、散るのを惜しむ。なぜ桜にだけこんな感情を持つのでしょうか。
さて、食物アレルギーの事故が相次いだことが関係しているのか、食物のアレルギーでエピペンの処方を希望される方が増えたような感じがします。アナフィラキシーが起きたときに自分でエピネフリンを注射するキットです。エピネフリンあるいはアドレナリンは血管を収縮させて一時的に血圧を上げる薬です。自己注射であることや、めったに打つことはないため、「どういう状況になったら打てばよいのか?」という質問を必ずされます。
「食物アレルギーの手引き2011」を参考に自己注射すべきタイミングをまとめてみます。公的でない私見も含まれます。心臓などに持病がある方にはエピネフリンはかなり負担のかかる薬です。使用に際しては必ず主治医や近くの専門医に聞いてください。
アスパラが出始めました(3/31)。今年は早い。
帯状疱疹は人にうつるか?
今日は当地でローカルな研究会がありました。そこで帯状疱疹になった方の家族が水疱瘡になる率を調べた報告がありました。開業している新澤みどり先生からの報告です。忙しい日常診療の中で、長い期間かけてこのようなデータを出す姿勢に頭が下がります。患者さんからの素朴な質問に対してきちんと答えるためにいろいろ調べてもきちんとしたデータが見つかることは意外と少ないのです。
例えば、
帯状疱疹になった患者さんに、
「家族にはうつらないでしょうか?」
「孫の初節句の席に呼ばれているのですが、行ってもいいでしょうか?」
「孫と一緒に風呂に入ってもいいでしょうか?」
「娘が妊娠中なのですが大丈夫でしょうか?」
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梅の枝に花が付き始めました ポップコーンのようです 春です。
焼きおにぎり 蕗味噌+醤油味
光アレルギーでしょうか?
今日は春分です。暖かくなりましたが、風が強くて花粉がばんばん飛んでいてつらいです。
さて、これから顔や腕に皮疹ができて来院する方が増えてきます。スポーツや農作業などの屋外での活動が増えてくるからでしょうか。たとえば屋外での作業の後、顔や腕に赤いぶつぶつがたくさんできてきた。去年も同じころに同じ症状が出たからきっと光アレルギー(紫外線アレルギー、光線アレルギー、太陽光アレルギー)じゃないだろうかなどと考えます。でも、この時期は植物などによる単純なかぶれもよく起きます。
今回は単純なかぶれと光アレルギーを区別するポイントについて
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外で仕事
患者さんにフキノトウをいただいたので蕗味噌に
最後の生ハム 表面にびっしりと白カビが生えました。
ジャパニーズスタンダード
3月に入りました。昨日は当地も強風にみまわれ家の周りの物がいくつか飛び散りました。春一番だったようです。
今日も冷たい風が吹いていましたが、なんとなく春の気配がします。くしゃみも2-3度出ました。
今日のお題はジャパニーズスタンダード。かぶれを疑うが、原因がわからない場合にはパッチテストという検査を行います。パッチテストは患者さんの身の回りの物質(化粧品、草花など)で調べるのが基本ですが、ウルシのようにもともとかぶれやすい物質がありますので、そのようなものについては検査用の試薬がセットで売られています。日本人がかぶれやすい物質のシリーズとしてジャパニーズスタンダードという製品があるのです。
このシリーズで調べられるものをまとめておきます。
卒業シーズンです。 動画は今は亡きスティーブ・ジョブズのスタンフォード大の卒業式でのスピーチの関西弁版です。いろいろ意見は分かれるかもしれませんが、私は感動しました。
太もも(大腿)の内側がしびれる
東京支部の皮膚科学会に行ってきました。学会では自分で発表する以外に他の発表を聞き、また教育的な講演も多いので勉強になります。また、医療機器や薬品会社の展示もあるので、新しい機械やスキンケア用の新製品をざっと見ることができます。本屋さんも出店します。大学や町の大型書店にも医学書コーナーはありますが、やはりスペースの関係から種類は限られます。学会に出店している本屋さんは皮膚科とそれに関連する本のみを持って来ますので、多くの新刊を手にとって見ることができます。学会参加の1つの楽しみでもあります。
前置きが長くなりました。昨日ふと手にとったプライマリーケア(よくある病気)に関する書籍に閉鎖孔ヘルニアが出ていました。骨盤の底の筋肉の隙間に腸が入り込んでしまうものです。大腿の内側が痛くなる、あるいはしびれるといった症状が出ます。閉鎖神経が飛び出した(陥頓した)腸と筋肉の間に挟まれたために、神経が支配する範囲(大腿内側)が痛むわけです。ほとんどが高齢のやせた女性に起きます。年齢や性別が診断上重要なヒントになる例です(必ず例外はありますが)。若い人に同じような症状が出た場合は、別の病気を考えないといけません。
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大根の花が咲いた
かぶれさせて治す2 円形脱毛症
かぶれさせて治す円形脱毛
免疫とは本来外から入ってくる好ましくない敵(主に感染症)から体を守る軍隊です。この軍隊が反乱を起こした病気を自己免疫疾患(いわゆる膠原病:こうげんびょう)といいます。自己の免疫が自分を攻撃した病気です。関節を攻撃すればリウマチ、甲状腺を攻撃すれば橋本病、膵臓を攻撃すれば糖尿病になります。つまり、攻撃された内臓の役割が壊されるわけです。
円形脱毛症は自分の免疫が自分の毛を攻撃することによっておきる病気です。攻撃によって毛が抜けてしまうのです。円形脱毛症の治療で国がまったく認めていないがよく効く治療が局所免疫療法です。免疫療法というと高尚な感じがしますが、脱毛部分にかぶれやすい物質を塗ってかぶれを起こすだけです。でもよく効きます。
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これまで、いくつか取り上げたことがありますが、かぶれを疑って来院した患者さんにで原因物質を調べるときにパッチテストを行います。皮疹が出た時期から疑わしい候補(製品)があれば、それらについて行いますが、一般的にかぶれやすい物質については前もって検査薬が病院に準備されています。スタンダードシリーズなどと呼んでいます。
下腿潰瘍(静脈弁不全による皮膚障害)の患者さんはいろいろな薬を傷に塗るので、外用剤にかぶれることがけっこうあります。かぶれの原因が時代とともにどのように変化していったかという論文を読んでいたらバルサムオブペルーが上位にランクしていました。香料です。
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