がん細胞が正常な細胞と異なる点の1つは、やたらめったら遺伝子が変異してしまうことです。がん細胞は自分が増殖できるように効率よく変化しているわけではなく(たぶん)、やたらめったら変異している中でものすごく増殖に適した細胞がたまたま生まれ、他のおだやかな(?)がん細胞を駆逐しながら増えていくのだと思います。
がん細胞の変異はランダムに起きます。DNAは設計図ですが、ごく一部分しか実際の生存に必要なタンパクに翻訳されません。生存に必須なタンパクの設計図部位に重度の変異が起きれば、がん細胞といえども生存できなくなります。
体にはたくさんの種類のがんができますが、遺伝子の変異部位が最も多いのが、メラノーマで、二番手が肺がんです。変異が多いほど悪性度が高そうな感じがしますが、2011年に認可されたメラノーマの新薬ipilimumab(免疫を上げるお薬)がよく効く方のメラノーマは効かない方より遺伝子変異が多いことがわかりました。この薬はがん細胞を攻撃する免疫を強くする薬です。免疫はがん細胞の表面の目印を認識して攻撃します。この目印はがん細胞を食べた細胞からごく短いタンパク質(ペプチド)としてリンパ球に情報が伝わり、リンパ球はこの目印をもつ細胞(がん細胞)を攻撃します。
参考文献
Genetic Basis for Clinical Response to CTLA-4 Blockade in Melanoma
ルッコラ、コリアンダー、遅まきの野沢菜に雪
カテゴリー: よくある皮膚の病気
指に丸くて赤くて痛がゆい皮疹ができた
手の指や足の指(趾)に1-2cm大の丸い赤紫の皮疹ができて、かゆい、いたがゆい・・・しもやけです。
関節と関係なく出る、指先に限らず指の途中に出る、爪のまわりや指の先は問題ない・・・というのが動脈硬化などによる血行不良とは違うポイントです。
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しもやけになった
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今週末は鹿児島 桜島も冠雪してました
空から宇宙へ 青色が変わります
故郷は真っ白になってました 今年の県外出張はこれでおしまいです
チョコと金属
チューリッヒの土産用にチョコを買いました。普通の食料品店でも、ワインとチョコの売り場面積は日本より格段に広い感じがします。
そこで、今回はチョコネタにしました。以前書いたことがありますが、チョコと含有金属について。
関連記事:化粧品と金属アレルギー
今日はほんの少し日が射しました。風景の色が変わります。
宿泊しているホテル 入り口が一見あやしそうですが良いホテルです。
この学会が出している雑誌の今月号の表紙に少しお手伝いした論文「手足のメラノサイトの母親は汗腺にいた」の図が採用されていました。
ガンバ
さて、今年もあと2か月になりました。今週末はハロウイーンですね。皮膚科学会の指導者講習会でお茶の水にいます。子育て中のお母さん先生の実際の1日のスケジュールが資料にありました。子育てしながら仕事を続けることの大変さをあらためて実感しました。さて、この時期になるといつも5年前に行ったUCLAでの研修を思い出します。2週間、センチネルリンパ節という最初に転移を起こすリンパ節の病理検査に同席させてもらいました。この検査の有用性について検証する世界共同試験で、参加施設から送られたきたリンパ節標本をUCLAで見ていました。そんな中で腫瘍の部位にganbaと書かれたレポートがありました。教授は「ganba?聞いたことがあるがどこだったけ?イタリアからの症例か・・・」「脚だったかなぁ」。言わなきゃいいのに、私「ganba oosakaというサッカーチームが日本にあります。たぶん近いと思います」 確たる証拠もないのにコメントしてしまうのが私の非常に悪いくせです。
さて、今回はいったい何を言いたかったのか。本ブログは皮膚科に少しでも関連した話題から無理やりこじつけた話題に持っていくことが少なくありません。
今日、地元のサッカーチームが来年J1に上がることが決まりました。ひそかに心の中でマジックを刻んできました。
やった。
手荒れがある方は素手でカニを食べないほうがいいかも
ある食物を食べたら体中に蕁麻疹が出た、唇が腫れた、呼吸が苦しくなった、おなかが痛くなった・・・食べ物のアレルギーです。今までなんともなかったのに合わなくなってしまったのですね。食べ物のアレルギーは食べているうちに急に体が「この食べ物いやだ」と認識してしまったと長く考えられていました。でも、最近は皮膚から入り込んでいるいるうちに体が拒否するようになることも多いことがわかっています。経皮感作(けいひかんさ)といいます。
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赤ちゃんの口のまわりの傷に注意
高校の同級生にもらった種からできたカボチャ3個。 トマトはシーズン最後になります。今日の夕日はみごとでした。晩秋です。
傷の跡やすねに青黒いシミが増えてきた
先月末に招待された韓国での帰国前にレジデント達と夕食を共にしました。宴の半ばでちょっと会話が途切れたので、手持ちのダーモスコピー(ほくろなどを拡大して観察して記録するものです)にあった画像を見せながら「これなんだ?」と質問してみました。みんな興味を持ってくれました。モチベーションが高いです。症例の中にあったのが、数か月前から始まった両方の脛(すね)に青灰色黒がまじった1-2cmのシミが多発する症例です。
先週末は青森へ 30年前に青函連絡船に乗るために何度か通過したことはありましたが街に降りたのは初めてです。海峡の向こうに北海道が見えて、行きたくなっちゃいました。 ホテルで紹介された居酒屋ではねぶたの実演?と津軽三味線が聞けました。お酒もお刺身もおいしかった。
大邱にいます
昨夕韓国の大邱(テグ)に入りました。昨年、ソウルで講演した時に、大邱の大学の先生が面白がってくれて呼んでくれました。朝10時から18時まで、講演と症例検討会で非常に活発な討論が行われました。皮膚科医と病理医が参加し、とても穏やかでフレンドリーな質疑が続きました。厳しい意見の応酬を柔らかく、フレンドリーに行うことは簡単ではありません。見習いたいと思いました。レジデント達ともいろいろ話しました。雰囲気は日本のレジデントと全く同じです。彼らが立派な皮膚科医に育ち、日本の若い世代と協力していけたらよいと思いました。打ち上げでは、韓国風?の結構激しい乾杯が続きましたが、なんとか生還しました。
朝の散歩は市場へ
今まで見た中で最大の市場でした
秋
庭のミョウガが先週から枯れ始めました。例年より1か月ぐらい早い感じがします。今朝も結構肌寒い感じがしました。
この時期になると、通院されている強皮症などの血行が悪い患者さんには寒さ対策をそろそろ始めましょうか、と確認します。
以前何度も記事にしましたが、寒いと手の指がなんとなく腫れぼったい、指をぴんと伸ばすと指が白くなる、甘皮(爪の上皮)が長い、甘皮に黒い点々(赤い点々、出血です)がある。というような症状がある方は、強皮症などの膠原病の可能性がありあます。手にしか症状がなく、何年も前からあって、あまり変化しない(良くも悪くもならない)方も多いと思いますが、一度皮膚科にかかることをお勧めします。
関連記事:手が冷たい
ブラウントラウト
旬のイチジクを生ハムといただきます
ロキソニンとデング熱
商標名ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)はとてもよく使われる鎮痛剤です。効きが良いので私も時々飲みます。日本で鎮痛剤の売り上げに占める割合も高いと思います。
今朝のニュースで、デング熱にロキソニンを使うとデング熱による出血傾向が増強するので注意が必要であるとのコメントが出ていました。UpToDateといういつも参照するWeb版英語教科書で確認してみました。
関連記事: The hot never bothered me anywayとデング熱
キノコを探して近所の里山へ いきなり軍手にひっついた種
ちょっと遅かったけどイグチが結構取れました
Sep15,2014の夕方 なかなか見られないみごとな夕焼けでした
生まれたばかりの赤ちゃんの頭に丸いはげがある
生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)にはいろいろな皮膚の変化がみられます。診断と治療を急ぐ必要のある症状はきわめてまれですが、やはり親御さんにとっては心配になりますね。ほとんどは入院している間か退院早期に(産科や小児科の先生が必要と判断すれば)皮膚科を紹介されることが多いと思います。
今回は部分的な脱毛が赤ちゃんに認められたときに考える疾患について。
雨が続き、PCとにらめっこしていた夏休みは今日でおしまいです ちょっと外に出たくなり、わが町にある伊東豊雄さん設計の建築物をじっくり見てみようと出かけました。
催し物がないのでロビーには誰もいません。静かです。象嵌ガラスから光が入ってきれいです。
屋上です
玄関です これからサイトウキネンフェスティバル(名前が変わるようですが)が始まります。