60年と15秒

今日骨董品鑑定のTV番組の後の番組で、中島誠之助さんが濱田庄司という陶芸家を紹介してました。
大皿に柄杓で釉薬をかける。15秒程で終わってしまう工程によって作為のないすばらしい絵柄が浮かび上がる。「15秒という時間で終わってしまうのはもったいなくはないか?」と聞かれて、この工程は(今までの経験)60年+15秒と考えたい・・・というようなことを述べたと紹介されてました(本当は別の意味かもしれませんし、TVでの説明を誤解しているかもしれません)。皮膚科医の仕事も似ていると思いました。

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友禅と発汗テスト(2)と万葉集

前(急に汗が出なくなった)と前の前(友禅と発汗テスト1)の続きです。
汗が出ない患者さんがいた場合、本当に汗が出ないのか、全身的に出ないのか、体の一部だけ出ないのか調べます。発汗試験です。いろいろな方法がありますが、ヨードデンプン反応を使用して汗の出ない部位をスクリーニングする方法などを使うと前回書きました。でも、この検査結構大変です。ほかによい方法はないのでしょうか?
夜ぼーとTVを見ていたら、横で家内が白い布にペンで紫の下絵を書いているのが目に入りました。色が残らないのかと聞いたら、水で洗うと消えるんだそうです。
suisen2012
野沢菜もルッコラも寒さにやられる中、水仙が芽を出しました。春は近づいている?

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友禅と発汗テスト

前回の記事(急に汗が出なくなった)の続きです。
汗は蒸発するときに体温を奪ってくれます。汗が出にくい、あるいは出なくなると、体温の上昇を抑えることができなくなります。
このような訴えのある患者さんには、まず原因となる病気が隠れていないか血液で調べます(膠原病や甲状腺の病気など)。そして、本当に汗が出ないか検査します。いろいろな検査法があります。一番簡単なのはヨウ素デンプン反応を用いた方法です。
nozawana2012Win
野沢菜 寒さに耐えてます。

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新年明けましておめでとうございます

2012年を迎えました。今日はやっと晴れて、そして厳しい放射冷却です。
このブログも始めてからもうすぐ5年になります。
だんだん「よくある皮膚のトラブル」のネタ探しに苦労するようになりましたが、一般の方が感じている皮膚のトラブルに対し、今年も嗅覚が鈍らないようネタ探しに励む所存です。
今回は、鮭とパエリアと皮膚について。
とmmぼ2011
今年は”辰で飛ぼう”ということでdragonflyです(昨年秋の使い回しです)。
赤とんぼ 筑波に雲もなかりけり
(子規:NHKの坂の上の雲、終わってしまいましたね。エンディングででてくる峰は小蓮華山だそうです。詳細はAZM氏のブログで)
私も一句、
赤とんぼ 筑摩に雲はちょっとあり (失礼しました)

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ノーベル賞と高校の同級生と皮膚がんの治療薬

今年のノーベル賞医学生理学賞はToll様受容体と樹状細胞を研究していた科学者に与えられました。樹状細胞とその役割を明らかにしたスタイマン先生は受賞者発表の直前に亡くなっていたことがわかり、話題になりました。
すぐき
京都3大漬物 冬になりました

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リンパ節はどこにある

9月に入りました。大型の台風も来ていて大きな被害がでないか心配です。
今回はリンパ節についてです。ノドが痛かったりすると首にぐりぐりができます。これがリンパ節です。
関連記事
足のリンパの流れはどうなってる?
脚のむくみのマッサージのしかた
皮膚がんは痛くない
UCLA最後の日
nozawana21011
ちょっと季節はずれのミョウガと野沢菜
minihozuku2-11SEP
季節が終わったミニホオズキ

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触診はMRIやCTに勝る?

ちょっとえらそうな題をつけてしまいました。
あたりまえですがCTやMRIは偉大です。これらがない時代に脳や内臓の病気を診ていたお医者さんは大変だったと思います。皮膚科でも手術の前後にお世話になります。
でも、皮膚や皮膚の下にできた腫瘍の局在(どの深さに、どの範囲で存在するのか?)を確認するうえで、触診(しょくしん:文字どおりよく触ってみること)はとても大切です。
arennji2011
かみさんアレンジ「庭の草花」

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2011夏 お山の診療所へ

毎年恒例のお山の診療所へ1泊で行って来ました。天気予報は雨、都合により単独行。
途中で前々日からボランティアで診療所に詰めていた下山中の先生と息子さん(うちの山岳部)、看護師さんのグループに会いました。小雨の中で前日に手の平の裂傷でかかられた患者さんの治療法のことでいろいろ聞かれました。普段は外務省の医官として海外にお住まいとのことでした。自分が得意としない医療を提供しないといけない状況があります。山の上の診療所はいつもそうです。いつも不安になります。自分のした行為を検証する姿勢は見習わなければいけないと思いました。
komakusa
女王 コマクサです
tinguruma
チングルマ

花火の音で外に飛び出したら、夜空に大輪。今日は地域の夏祭りでした。
今回は写真のみです。

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個人的に好きな記事

あまりヒットしないけど、自分では比較的好きな記事です。
肌の色は白いほうがよいのか、黒いほうがよいのか()()・・・肌の色と住むべき緯度
弥生人が持ってきたもの ベーチェット病(全然皮膚とは関係ないですが、お酒を飲める遺伝子を欠損した(お酒が飲めなくなった)のも弥生人のようです。お米を作れるようになったのに残念ですね。)
縄文人が持ってきたもの 小柳原田病
ウイルスの大いなる旅路
ラテックスアレルギーとゴムの木の痛み
tonnbo2011
自生してきた野沢菜と赤トンボ
minihoozuki2011
ミニホオズキ初収穫 甘かった
tomato2011
やっと赤くなってきた
tumaguro
午後庭にやってきた美しい蝶々。ツマグロヒョウモンというんだそうです。

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