皮膚にはシワができます。たとえば目じりやおでこには横方向にシワができます。シワは普通、皮膚の直下にある筋肉の流れと直角に走っていて、皮膚の線維の向きを示しています。口の周りには輪のように筋肉があります(口輪筋)。ですから口の周りには放射状にしわができます。おでこの筋肉は縦方向に流れています。このしわの方向が大切になるのは、皮膚の腫瘍を取るときです。小さいほくろなどは丸く繰り抜いて縫わないでそのまま置いておく、という手術法をとりますが(そのほうが丸く自然に縮んで、ニキビ後のような点の傷になり、線の傷より目立たなくなります)、大きい場合は紡錘型に切って縫います。線の傷になります。このときこの紡錘型の長軸の方向をシワの方向に合わせます。そうすると傷が目立たなくなるのです。
わさびの花が咲きました。おひたしで。
フケがすごい 眉毛の間や鼻のまわりやほっぺたがカサカサして赤くなっている
頭のフケがすごくて、かゆみもある。
マユゲとマユゲの間(眉間)が赤くてカサカサしている。
鼻のとほっぺたの境目が赤くて、油っぽくてカサカサする。
・・・脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)です。または脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)
前々回の記事で、皮膚科を受診する良くある病気ランキングについて書きましたが、その中で詳しくとりあげたことのない病気に、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)がありました。今回はこの病気について。
皮膚科にかかることが多い皮膚病ランキング
いったいどんな種類の皮膚疾患をもった患者さんが皮膚科に良く来るのでしょうか?
過去の統計や個人的な感覚では、湿疹が半分強、次に水虫などの感染症が多い印象です。
昨年夏に日本皮膚科学会が集計した資料から(日本皮膚科学会雑誌119巻、2009)。
ブレーキ
トヨタ車のブレーキのリコール問題が連日テレビや新聞で報道されています。
免疫は体にとって問題となりそうな生き物や物質(外から入るバイキンや自分の体の一部が変化してできる癌細胞を含む)を攻撃する仕組みです。以前の記事(働きすぎの免疫反応)で、目的とする敵がいなくなっても、あるいは敵自体は残っていてもそれほど問題をおこしていないのに、自分お免疫が戦いを止めない状態が困ったことをおこすことがある、という話をしました。免疫にはこのような困ったことをおこさないためにブレーキがあります。
今回は免疫のブレーキについて(参考にしたのは杏林大学皮膚科 塩原教授の一連の論文)。
納豆アレルギー
今日は節分。炒った大豆をポリポリ食べながらお題を考えていました。
今回は大豆からできる納豆によるちょっと変わったアレルギーについて。
関連記事:
食物アレルギー原因ランキング
食物アレルギー 症状ランキング
食物アレルギー カニ/エビ
パンを食べてから運動したら意識を失った
首の付け根やそのまわりに白いブツブツがある
首の付け根やそのまわりの肩から背中にかけて、3mm程度の大きさの白や黄白色のぶつぶつがたくさんできている
いくつかの病名がありますが1つを除いて問題ありません。
働きすぎの免疫反応
週末に職場の自分の机の上に紙袋が置いてありました。中身は新型インフルエンザのワクチンでした。昨年から年齢順に若い先生から打ってきたワクチンの順番がやっとまわってきたようです。
さて、新型インフルエンザに関連して、スペイン風邪(インフルエンザ)が引き合いに出されることがよくあります。スペイン風邪で多くの方がなくなった理由について一昨年興味ある報告がなされました。ウイルス自体によって死亡したわけではなく、ウイルスを退治しようとして働いた自分の免疫が働きすぎて肺の組織を壊してしまったという説です。
今回は行き過ぎた免疫反応によっておきる問題について。
やっと見つけたふきのとう 今朝の寒気に少しやられています。
この寒さの中で葉が青々としているのは、ホウレンソウ、野沢菜、イチゴ、そして意外なことにルッコラ
明けましておめでとうございます 2010
明けましておめでとうございます。
更新がだいぶ遅れていますが、今年もなるべく多くの記事を書きたいと思います。
乾癬に新しい薬が使えるようになる
乾癬(かんせん)という病気があります。頭のひどいフケ症、全身の皮膚に白く厚い角質がついた丸い少し盛り上がった赤い皮疹がたくさんできます。爪も水虫のように黄色くにごり、厚くなります。皮疹は数個しかない方から全身の皮膚に拡がっている方もいます。ほんとうによくある皮膚疾患です。”かんせん”と呼びますが、人に感染する病気ではありません。関節症状や体じゅうに膿が出る場合がありますが、多くの方は内臓や命にかかわる病気との関係もありません。
ただ、全身に島状の赤い皮疹ができて、バラバラと角質が落ちます。若いころから始まる方も多いので、集団生活、プール、浴場で肌を露出することが困難になります。恋愛や結婚やさまざまな社会生活に差しつかえが出ます。つらい病気です。
治療は、ステロイド軟膏、ビタミンD軟膏、紫外線治療、レチノイド(ビタミンA誘導体)の飲み薬、免疫抑制剤(シクロスポリン)の内服などが行われます。でも、このような治療をしてもなかなかよくならない患者さんがいます。
新しい薬が年明けにも認可されそうです。
レミケード®(インフリキシマブ)とヒューミラ®(アダリムマブ)です。
大酒飲みと皮膚病
首のうしろや手の甲に小さい水疱ができたり治ったりする。
治ったあとがケロイド(正確には瘢痕、はんこん)やシミになって残る。
繰り返すので数mm程度のシミやケロイドがたくさんある中に皮膚のただれ、カサブタ、2-3mmの小さい水疱が混じってみられる。
中年以後の男性で、相当な大酒のみ。肝臓も悪い。C型肝炎のウイルスを持つ、エストロゲン治療を受けている女性など
晩発性ポルフィリン症(ばんぱつせいぽるふぃりんしょう)です。めったにない病気です。