紅色陰癬(こうしょくいんせん)という皮膚病があります。
腋の下や陰部(股の付け根)などに薄い赤茶色の皮膚炎ができて、少しカサカサします。
こすると細かい粉状のアカが落ちます。かゆいときもあるし、かゆくないときもあります。
皮膚科にかかると、まず白癬(はくせん、たむし、みずむし・・・すべて同じ病気)やカンジダ、癜風(でんぷう)などのカビによる病気を疑って検査をします。カサカサのアカを顕微鏡で見るだけの簡単な検査で、カビであれば数分以内に結果が出ます。
でも紅色陰癬(こうしょくいんせん)は細菌(さいきん、ばいきん)による病気ですから普通のカビの検査ではわかりにくいのです。この病気には抗生物質の軟膏が有効です。でも股の皮膚炎でカビがみつからなければ普通は弱めのステロイド軟こうなどが処方されます。治りません。ちょっと治りにくい股の皮膚炎があったら考えなければいけない病気です。単純な真菌の検査ではわかりにくいのですが、この病気は紫外線を当てるとサンゴ様の紅色の蛍光を発するのです。
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化粧品があわない
化粧品があわないという質問をいただきました。
化粧品が合わない・・・よく相談を受けます。ニキビ様の皮疹やかゆみのある赤い皮疹(頬や目のまわりに赤みとカサカサが出たり、1-2cmの丸い赤みが顔のあっちこっちにできたりします)などで受診される方が多いようです。パッチテストをしても反応の出ない方もけっこういます(本当は陽性率も調べればよいのですが、次回に)。パッチテストで陰性ならば強いアレルギーはないと判断して、今まで使っていたものを1種類づつ耳の前の部分などで試してもらいながら、再び使い始めてもらうことが多い思いと思います。ただ、アレルギーがなくても皮膚症状が出る場合があります。刺激性(しげきせい)といいます。
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今バルセロナに来ています。
手の平のしわが細かい、多い
今回は手の平のシワが多い場合、医学的に何か関係があるのか?というお話です。
手の平にシワが多い方がいれば、スネ(膝から下の前面、弁慶の泣き所)をみてください。亀の甲羅模様のひび割れや乾燥はありませんか?
尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん)かもしれません。怖い病気ではないので、心配はありません。
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UCLA-10 UCLA最後の日
UCLA-9 久しぶりに研修医の気分になった
今回は2日分。
昨日は、午前中から昼過ぎまで招待してくれた教授の最近の研究結果についてレクチャーを受けました。学会の特別講演を1人で受けている状態でした。最新のデータを怒られないかかとびくびくしながら、たくさんメモしました。夕方はある用でジョン・ウエイン癌研究所(John Wayne Cancer Institution)を再訪。ダーモスコピー(皮膚面を拡大し、なおかつ偏光レンスやゼリーなどを使用して皮膚の深いところの色や血管の状態を見られるようにした機器)を持って行きました。ヨーロッパや日本では盛んに使われていますが、アメリカではまだだといううわさを聞いたので、持ってきたのです。持参のコンピューターで画像がリアルタイムににみれる機種を出発前に買いました。値段はかなり安く、ジャンクな領域の製品ですが、購入後に試してみると結構いけます。
お世話になっている先生の部屋でダーモスコピーのお披露目をしたところ、同席されていた先生が面白がってくれて、ここの大御所にも見てもらいたいから連れてくると言われて部屋を出て行きました。あの方が、それもこんなジャンクな道具を見に(ちゃんとしたのを持ってくればよかったと後悔・・・日本のダーモスコピーの専門家にすまない)。そして、いらっしゃいました。
ジョン・ウエイン癌研究所(John Wayne Cancer Institution)
UCLA-8 皮膚科の検討会に出てみた(2)
先週に続いて火曜日8時開始予定の皮膚科の検討会に。今度は8時25分に行きました。ちょうど始まりました。先週と違って病理の病理の教授も出席されていました。進行は臨床写真と病理組織の顕微鏡画像をスクリーンに映して、検討開始です。うちの病院でやっているのと同じです。前回の記事では物足りないとか言ってしまいましたが、取り消します(反省)。
UCLA-7 だんだん白くなっていく馬: 葦毛馬(あしげうま)とメラノーマ
今日も日曜日で休み。
馬を見に、Santa Anita Parkへ連れて行ってもらいました。あくまでも馬を見るために。ロサンゼル北東30-40kmにあり、武豊がオフを過ごす所らしいです。第二次世界大戦のときに収容所として在住日系人が入れられたところとしても有名です(山崎豊子:二人の祖国)・・・関連(あまりないですね)記事「小さな指のイボに泣けた:日航機墜落」
めずらしく葦毛馬がいました。オッズ33倍。美しい馬でしたがビリでした。葦毛馬といえばオグリキャップなどを思い出します。葦毛馬にはメラノーマがよくできるという話しを聞いたことがあります。今回は馬のメラノーマについて。久ぶりに”目からうろこ”。競馬理化学研究所の戸崎晃明先生の論文(pdf)より
UCLA-6 UCLA、カリフォルニア大に負ける
今日は土曜日でお休み。(今回は全く皮膚科と関係のない文章です。すいません。夜やることがないので。)
今回は出国前の1ヶ月間が忙しかったので、全く休日の計画を立てていませんでした。ホテルにいてもつまらないので、美術館めぐりか、ダウンタウンぶらつき、あるいは、電車にのってサンディエゴにでも行ってみようかと思っていました。
ところが、こちらでお世話になっている先生にカレッジフットボールUCLA対カリフォルニア大学(バークレー)戦に誘っていただきました。アメフトは昔から好きなんです。でも球場で見るのは学生の時以来です。